産業廃棄物の許可証とは?注意すべき「3つのポイント」をわかりやすく解説
お役立ちコラム
2023/05/12
産業廃棄物の処理は誰でも行えるわけではなく、都道府県知事等から許可を得る必要があります。
産業廃棄物の処理を委託する場合は、まず処理業者が「許可証」を保有しているかを確認しなければなりません。
許可証には産業廃棄物を処理する上で必要な情報が記載されているので、しっかり読み解ければ、状況に応じて適切かつ信頼できる処理業者の選定ができるようになります。
そこで今回は、産業廃棄物処理許可証について、注意すべき「3つのポイント」からわかりやすく解説します。
産業廃棄物の許可証とは?

産業廃棄物処理法では、他人から委託を受けて産業廃棄物の処理を行う場合、各都道府県知事等の許可が必要になります。
その許可を受けて発行されるのが「産業廃棄物処理業の許可証」です。
許可証を発行できる都道府県知事等とは、47の都道府県知事と、82の市の長を指します。(2022年4月段階)
産業廃棄物の「処理」とは、「収集運搬」と「処分」の両方が含まれるため、産業廃棄物を処分する場合だけでなく、運ぶ場合にも許可証が必要となるのです。
許可証には処理ができるエリアや産業廃棄物の種類が明記されており、許可範囲外のことは認められていません。
許可証を持っていない処理業者に、産業廃棄物の処理を委託した場合、罰則の対象となるため注意が必要です。
また許可証を保有していたとしても、委託する内容が許可範囲外の場合もあるので、しっかり確認を行いましょう。
産業廃棄物の許可証は全部で「4種類」

産業廃棄物処理業の許可証は大きく分類し、収集運搬業の許可と処分業の許可に分けられます。
さらに、それぞれ「普通産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」に分かれるため、許可証は全部で4種類となります。
種類1:産業廃棄物収集運搬業許可証
種類2:特別管理産業廃棄物収集運搬業許可証
種類3:産業廃棄物処分業許可証
種類4:特別管理産業廃棄物処分業許可証
収集運搬業の許可には、産業廃棄物を運搬するだけでなく、処分場に搬入されるまでに一時的に保管ができる「積み替え保管」も含まれています。
積み替え保管をすることにより、分別作業を経て、廃棄物の種類ごとにまとめて処分業者に出荷できます。
そのため積み替え保管は廃棄物処理のプロセスの中において重要な役割を果たしているのです。
また、収集運搬業の許可は「廃棄物が発生した場所」と「廃棄物を搬入する場所」の両方の許可が必要です。
例えば、産業廃棄物が東京都で発生し、神奈川県の処分業者に搬入する場合、必要となるのは「東京都」と「神奈川県」の収集運搬業の許可です。
処分業の許可は、「中間処理」と「最終処分」に分けられます。
産業廃棄物の許可証に書かれている「9つの内容」

記載内容1:許可番号
許可番号は11桁の数字で次のように構成されています。
1~3桁目 都道府県等の番号
4桁目 業の種類を示す番号
5桁目 都道府県等において自由に使える番号
6~11桁目 許可を受けた処理業者の固有番号
記載内容2:優良マーク
一定の基準を満たした処理業者は優良産廃処理業者として認められ、許可証に「優良マーク」が付きます。
優良基準については次の事項のすべてに適合する必要があります。
【遵法性】 ー 改善命令や事業停止命令を受けていない 等
【事業の透明性】 ー 廃棄物の処理状況や財務諸表などの会社情報を所定の頻度で更新している
【環境配慮の取組み】 ー ISO14001やエコアクション21などの認証を受けている
【電子マニフェスト】 ー 電子マニフェストが利用可能である
【財務体質の健全性】 ー 直近3年で自己資本比率が10%以上であること、税や保険料を滞納していないこと 等
記載内容3:住所、氏名
許可を取得した者の情報が記載されます。
法人の場合は、企業名と代表者氏名が記載されます。
記載内容4:都道府県、市(許可エリア)
取得した許可証をもとに事業ができるエリアが確認できます。
記載内容5:許可の年月日と有効期限
許可証として認められる期間が記載されます。
許可が切れる前に更新をしなければなりません。
有効期限は取得から5年間ですが、優良認定を受けている場合は7年ごとの更新となります。
記載内容6:事業の範囲(許可されている事業内容)
事業の範囲とは、収集運搬業の場合は、積み替え保管の有無と運搬することが可能な廃棄物の種類をいい、処分業の場合は、中間処理か最終処分の区分と処分が可能な廃棄物の種類をいいます。
記載内容7:事業の用に供する全ての施設(許可が降りている施設一覧)
処分業の許可証には処分をする際に使用するすべての施設とその処理能力が記載されています。
記載内容8:許可の条件
生活環境の保全に必要な条件が記載されています。
記載内容9:許可の更新又は変更の状況
許可の更新た変更の年月日等の履歴が記載されています。
許可証を確認する際に注意すべき「3つの項目」

産業廃棄物の処理を委託する際に必ず確認しないといけないのが許可証です。
きちんと確認しなかったことにより思わぬ罰則の対象になってしまうことも十分に起こりえるため、しっかりと理解し読み解けるようにしておきましょう。
ここでは、確認不足によるトラブルが本当に多い3つの項目について解説します。
項目1:有効期限
その許可証が効力を持っているかどうかを判断する一番シンプルな項目です。
更新が5年に1度(優良認定を受けている場合は7年に1度)であるため、継続的に廃棄物の処理を委託している場合、いつもと同じだからという理由で見落としやすい項目となります。
処理業者が許可証の更新を行っていても、新しい許可証が発行されるまでに時間がかかるというケースもあります。
ただし、産業廃棄物処理法では、有効期限内に更新の申請があった場合は、新許可証が発行される間も許可証の効力は継続すると規定しています。
更新中であることは、行政機関の受理印がある更新申請書にて証明することができるので、万が一、委託しようとしている処理業者の許可証有効期限が切れている場合は、更新中かどうかを確認してください。
項目2:許可エリア
収集運搬を委託する際に、特に注意しないといけない項目が許可エリアです。
都道府県をまたいで運搬する場合、各都道府県ごとに許可証が必要となります。
全国で製造工場を保有している場合や、全国で工事が発生するような場合は、処理業者の管理や、許可エリアの管理が煩雑になり、「処理業者が許可を取得していないエリアでの廃棄計画を進めてしまっていた」といったトラブルが起こりやすくなります。
項目3:許可品目
複数の処理業者と契約している場合、許可品目を一つずつ完璧に覚えるのは至難の業です。
「この廃棄物は処分できるだろう、運搬できるだろう」という思い込みから、処分ができない廃棄物を持ち込んでしまい、搬入できずに持ち帰らなくてはならなくなってしまったという事例も多くあります。
必ず、発生する廃棄物と照合して処理が可能であるかを確認するようにしましょう。
受け入れ先があって初めて処理ができる

産業廃棄物は許可を持っているところでしか処理ができません。
中には処理が困難な産業廃棄物もあり、受け入れ先を見つけるだけで時間がかかる場合も多くあります。
そのため、先に受け入れ先を確保した状態で廃棄計画を立てるようにしましょう。
許可証の確認は「処理ができない」といったトラブルを回避する有効な手段です。
産業廃棄物の許可証をマスターして会社を守りましょう!
「てきせつ」では、廃棄物の「なぜ?」を分かりやすく発信しています。
産業廃棄物許可証についての疑問は、ぜひ「てきせつ」にお問い合わせください。
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