食品リサイクル法とは?基本方針や定期報告、罰則についてわかりやすく解説
お役立ちコラム
2023/11/01
世界視点で見ると毎日の食べ物に困っている人々がいる一方で、まだ食べられるにも関わらず廃棄されてしまう「食品ロス」が大量にあることが問題となっています。
このような時流の中で、食品廃棄物の排出抑制と再生利用のために「食品リサイクル法」が制定されています。
そこで今回は、食品リサイクル法の概要や対象となる事業者、法改正後の基本方針などをわかりやすく解説します。
食品リサイクル法とは?

食品リサイクル法とは、2000年に制定された法律で、正式名称を「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」と言います。
対象となる食品関連事業者(製造、卸売、外食等)は、食品の売れ残りや製造過程で出る食品廃棄物を削減するとともに、発生した食品廃棄物に関しては飼料や堆肥としてリサイクルすることが求められています。
食品リサイクル法が施行された背景と目的
まだ食べられるにも関わらず廃棄されている、いわゆる「食品ロス」はスーパーやコンビニなどの小売店から多く排出されているイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし、実は食品の製造から加工、販売などのあらゆるシーンで食品廃棄物は発生しています。
一方で国際社会では、貧困や飢餓の問題、地球環境への負荷、資源の枯渇など、食品に関わる様々な問題が顕在化しています。
これらの問題に取り組むために、発生する食品廃棄物をできるだけ減らし、仕方なく発生してしまった食品廃棄物は適正にリサイクルして再資源化をする循環を作り上げるために、食品リサイクル法が制定されました。
食品リサイクル法の対象となるもの

食品リサイクル法で対象となるのは、飲食店やスーパー・コンビニなど小売店から排出される売れ残り、食べ残しだけでなく、食品の製造や加工、調理をする過程から排出される食品くずも対象としています。
しかし、一般家庭から排出される食べ残しや生ごみは、食品リサイクル法の対象にはなりません。
食品リサイクル法の対象となる事業者

食品リサイクル法の対象となる事業者は主に2種類に分類されています。
分類1:食品の製造、加工、卸売または小売を行う事業者
食品メーカーや八百屋、スーパー、コンビニなどがここに分類されます。
分類2:飲食店やその他食事を提供する事業者
レストランやカフェ、ホテル、旅館などがここに分類されます。
食品関連事業者がやるべきこととは?法改正後の基本方針

食品関連事業者がやるべきことは主に4つに分類されます。違反した場合には罰則も規定されているため、1つずつ遵守できるように対応しましょう。
義務内容1:再生利用の優先順位を守る
食品リサイクル法の対象となる事業者は「抑制→再生利用→熱回収→減量」の優先順位を守り、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を推進する必要があります。
義務内容2:再生利用の手法は6種類
再生利用の中でも、その手法は「飼料化→堆肥化→油脂・油脂製品化→メタン化→エタノール→炭化」の順番で優先順位が決められています。
この優先順位に従って、再生利用の促進を行わなければならない。
義務内容3:事業者ごとに再生利用等実施率の目標の設定
食品リサイクル法の制定当初は、一律で20%の再生利用等実施率を目標に、食品廃棄物の再生利用が進められていました。
しかし、法改正により、 個々の事業者ごとに毎年度設定された基準実施率を再生利用等実施率が上回る結果を出さなければならなくなりました。
再生利用等実施率の計算式は、以下の関連サイトをご覧ください。
※参考:食品廃棄物等の再生利用等の目標について(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syokuhin/s_info/saiseiriyo_mokuhyou.html
義務内容4:多量発生事業者は定期報告を行う
前年度の食品廃棄物の発生量が100トン以上の事業者は、食品廃棄物の発生量、発生抑制の実施量、再生利用の実施量と実施率などの項目を網羅して、毎年6月末までに主務大臣に報告しなければなりません。
定期報告書の書式は以下よりダウンロードしてください。
※参考:食品廃棄物等多量発生事業者の定期報告における報告方法等(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syokuhin/s_houkoku/
食品リサイクル法の罰則

食品リサイクル法で規定されている罰則は以下の通りです。
食品リサイクル法における企業の取り組み事例3選

ここからは実際に食品リサイクル法の対象となっている企業が実施している取り組みを一部ご紹介します。
事例1:イオングループ
イオングループは、店舗から排出される食品廃棄物をできる限り削減しつつ、どうしても避けられない食べ残しや売れ残りは、堆肥化して自社農園で利用し、野菜の生産に使うという循環モデルを構築しています。
事例2:セブン&アイ・ホールディングス
セブン-イレブンでは、食品廃棄物の発生抑制のために、賞味期限の近い対象商品を電子マネーのnanacoで購入した際に、ボーナスポイントを付与しています。
事例3:ファミリーマート
ファミリーマートは、店舗から排出される食品廃棄物を提携する養豚場の飼料として活用し、そこで育った豚肉を弁当や惣菜パンの原料として使う食品リサイクルループを構築しています。
食品リサイクル法を正しく理解して適切に対応しましょう

食品リサイクル法の対象となる事業者は、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を推進するために、定められた義務を果たす必要があります。
ただし、食品関連事業者の中には、事業規模が急拡大したことにより、急いで食品リサイクル法に対応しなければならなくなった方もいることでしょう。
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