産業廃棄物業界でコンプライアンスを向上させる方法5ステップ
お役立ちコラム
2023/12/01
産業廃棄物処理法は業界の中でも特に内容が複雑で、かつ改正が多い法律として有名です。
人々の環境問題への意識が強まり、企業が果たすべき環境対策の幅が広がる中で、コンプライアンスの向上は避けては通れない道と言えるでしょう。
今回は産業廃棄物業界において、コンプライアンスを向上させるための方法を5つのステップに分けてわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物業界でもコンプライアンスの遵守は必須

産業廃棄物の処理責任は排出事業者にあります。
そのため、排出事業者自身のコンプライアンスの遵守はもちろんのこと、処理業者もコンプライアンスの遵守は最低限のレベルとして求められます。
コンプライアンス違反により、処理業の許可が取り消されることもあり、事業を継続させていくためにもコンプライアンスの遵守は必須です。
実際の統計では2008年からの5年間で約3,000件の許可取り消し処分が行われており、ハードルの高さも伺えます。
コンプライアンスの遵守のためには、きちんとした体制を整えて全社的な取り組みにしなければなりません。
産業廃棄物業界でコンプライアンスが重視される背景

コンプライアンスの重視は適正処理の推進と言い換えることができます。
産業廃棄物の適正処理が求められる背景には次のようなことがあります。
背景1:資源の確保
資源が乏しい日本においては、いかに自国で資源を循環できるかという点が重要です。
適正処理を行うことにより、再資源化を実現し、資源不足に対応できます。
背景2:生活環境及び自然環境の保全
適正処理がなされない処理として、代表的な例に「不法投棄」があります。
不法投棄は資源循環ができないだけでなく、土壌汚染や水質汚染による生態系の破壊や、異臭や事故など自然環境や生活環境へ悪影響を及ぼします。
処理コストを抑えるための不法投棄が相次ぎ、国は生活環境及び自然環境の保全のため罰則を強化し、適正処理を推進してきました。
産業廃棄物業界でコンプライアンスに関する3つのハードル

コンプライアンスを遵守するためのハードルはどのような点にあるのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
ハードル1:頻繁に法改正が繰り返される
産業廃棄物処理法は頻繁に法改正が行われており、実際に2000年からの12年間で行われた法改正は100件を超えています。
頻繁に変わる法律を常に把握しておかなければならないという難しさがあります。
ハードル2:経営陣と営業、現場への情報伝達がうまくいかない
法律の変化を把握していたとしても、法律の内容を運用に落とし込む難しさがあります。
特に経営陣と営業、現場では重要視するポイントやコンプライアンスに対する解釈も異なることが多いため、正しく情報共有を行わないと法律違反につながる恐れがあります。
ハードル3:インターネット上に多くの情報が交錯している
インターネット上には膨大な量の情報があり、参照元によっては異なる見解を示している場合もあります。
「何が正しい情報か判断できない」という点も大きなハードルです。
産業廃棄物業界コンプライアンス違反を起こすよくある失敗3選

よく起こる失敗例を確認し、何がコンプライアンス違反に該当するかを確認していきましょう。
よくある失敗1:契約していない業務の実施
契約書は締結しているが、契約内容に含まれていない廃棄物を処理してしまったというケースが多くあります。
契約書の有無だけを確認している場合に起こりやすい事例です。
よくある失敗2:マニフェスト業務に関するミス
廃棄物を処理工場に持ち込んで、処理工場でマニフェストを発行しようとするような「マニフェストを発行するタイミング」を間違えているケースは非常に多いです。
よくある失敗3:バックオフィスにおけるミス
許可の期限切れといった契約書の管理ミスや、マニフェストの返送期限を過ぎてしまうといった書類管理におけるミスは、バックオフィスで発生しやすい事例と言えるでしょう。
産業廃棄物業界でコンプライアンスを徹底させる5ステップ

コンプライアンスを徹底させるために有効な5つのステップについて、順番に解説していきます。
ステップ1:環境省や自治体が発信する正しい情報を収集
インターネット上には様々な情報が交錯していますが、最終的には環境省や自治体に確認するなどして正しい情報を収集するようにしましょう。
ステップ2:外部セミナーへの参加
廃棄物処理法の内容は複雑で膨大な情報量です。
実際の実務で必要な範囲を効率的にインプットするために外部セミナーを活用しましょう。
ステップ3:社内での勉強会の実施
知識が特定の担当者だけに蓄積されないように、共有できる機会を設けましょう。
社内勉強会は講師役の担当者の理解も深まりやすく有効な手段です。
ステップ4:DXにより社内全体へ周知
情報のデータ化を行い、収集、蓄積、抽出を適切に行う仕組みを構築するなど、DX化を推進し、全社的に周知できる仕組みを整えるとコンプライアンス違反のリスクは大きく低減できます。
ステップ5:困った時の問い合わせ窓口を設置
不明点や疑問点をすぐに解消できる環境作りもコンプライアンス違反対策に有効です。
問い合わせ窓口を設けることにより、社員の疑問点を集めることができ、対策しやすくなります。
産業廃棄物業界ではコンプライアンスを遵守するだけで差別化になる!?

コンプライアンスの遵守は当たり前に求められることですが、ハードルが高いのも事実です。
当たり前にこなせる体制を整えることで差別化になると言えるでしょう。
「てきせつ」では、コンプライアンスについての必要性や遵守するための手法について、わかりやすく発信しています。
産業廃棄物の処理方法や法律について困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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