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労働安全衛生法の改正が産業廃棄物業界に与える影響とは?

お役立ちコラム

2024/01/01

2022年5月に労働安全衛生法の一部が改正され、化学物質管理の考え方が大きく変わりました。

 

労働安全衛生法の改正は産業廃棄物業界にも大きな影響を与えます。

 

製品の取り扱いとは異なり、排出される廃棄物の中身は千差万別で、特定することは困難です。

 

廃棄物の処理業者側からすると危険物や有害物質の混入リスクが常に付き纏っている状態と言えます。

 

今回は、労働安全衛生法の改正が産業廃棄物業界に与える影響について、わかりやすく解説していきます。

労働安全衛生法とは?

 

労働安全衛生法とは、労働者が健康で安全に働き続けることができるように職場環境を整えるための法律です。

 

労働安全衛生法の中には、化学物質により引き起こされる、労働災害を防ぐ規制も含まれています。

リスクアセスメントとは?

 

リスクアセスメントとは、労働災害防止措置を決定するための一連の手順のことです。

 

事業者は、現場で発生する事故リスクや人体への有害性リスクの特定、リスクの定量化と優先度の設定、そして設定したリスクの低減措置を決定しなければなりません。

 

労働安全衛生法により、製造業や建設業といった特定の事業者にはリスクアセスメント及び設定したリスク低減措置の実施が努力義務として定められています。

2022年、2023年、2024年の労働安全衛生法の改正ポイント

 

労働安全衛生法は段階的に改正されています。

 

2024年4月1日には新たに次のような項目が追加されます。

 

<化学物質管理体系の見直し>

・ラベル表示、通知をしなければならない化学物質の追加

・化学物質労災発生事業場等への労働基準監督署長による指示

・リスクアセスメントに基づく健康診断の実施、記録作成等

 

<実施体制の確立>

・化学物質管理者、保護具着用責任者の選任義務化

・雇い入れ時等教育の拡充

 

<情報伝達の強化>

・SDS等による通知事項の追加及び含有量表示の適正化

 

<その他>

・第三管理区分事業場の措置強化

 

2022年、2023年の段階的改正については、次の表をご参照ください。

 

▼新たな化学物質規制項目の施行期日

 

※画像参照:厚生労働省_労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000945523.pdf

産業廃棄物業務における労働安全衛生法との関わり

 

産業廃棄物の中に化学物質が含まれている場合、労働安全衛生法で定められた規制の対象となります。

 

2016年に労働安全衛生法で化学物質のリスクアセスメントが義務付けられましたが、「人材が足りない」「やり方がわからない」といった理由により実施できてない事業者も多いです。

 

産業廃棄物処理業者は零細企業、中小企業が大部分を占めていることもあり、リスクアセスメントの浸透が進みにくいと考えられます。

産業廃棄物業者が実施すべきリスクアセスメント7ステップ

 

リスクアセスメント導入の必要性は理解していてもやり方がわからず実施できないという事業者の方も多いでしょう。

 

ここではリスクアセスメントの手順について7つのステップに分けて解説していきます。

ステップ1:実施体制を明確にする

事業場の社長や工場長といった経営トップにより、リスクアセスメントの導入を宣言し、推進体制を明確にしましょう。

 

リスクアセスメントが適切に行われているか評価する必要があるため、取りまとめを行う責任者には工場長や業務責任者等の業務やリスクに精通している担当者を選びましょう。

 

そして、リスクアセスメントの実施手順書を作成し、従業員全体で同じ認識が持てるように活動内容を見える化します。

ステップ2:実施時期を決定する

工場のレイアウト変更や取り扱う原材料が変わるといった、事業場におけるリスクに変化がある際に実施することが義務付けられています。

 

また、これまでリスクアセスメントを実施していなかった領域に関しては、ただちに実施し、定期的に見直しをしなければなりません。

ステップ3:業務内に潜むリスクに関する情報収集を行う

職場や事業場全体の危険性や有害性に関する資料をできる限り集めておきましょう。

 

具体的には、作業手順書や設備の仕様書、災害事例、作業を実施するために必要な資格や要件などがあります。

ステップ4:危険性・有害性を特定する

設備や化学物質、作業内容等、全てのリスクアセスメントを同時に実施できることが理想ですが、現実的にはリスクの大きさから優先順位を決めて実施していくことが重要です。

ステップ5:リスクを見積もる

リスクの大きさを定量的に見積もります。

 

発生のしやすさという「可能性の度合い」と、どの程度の被害になるのかという「重篤度」という観点からリスクの大きさを見積もっていきます。

ステップ6:リスク低減に向けた方法を検討・実施する

リスクアセスメント責任者を中心に、洗い出したリスクに対しての対策を設定、実施していきます。

 

実施にあたり、優先順位の判断基準を明確にしておくと現場でのオペレーションがスムーズに進みます。

ステップ7:リスクアセスメントの結果を記録する

リスクアセスメントは実施して終わりではありません。

 

継続的に見直しを実施することにより、長い目で見た時に事故リスクを低減させ続けていくことが重要です。

 

そのため、実施したリスクアセスメントの結果を記録して、誰でも確認できる状態にし、担当者が変わってもやってきたことが引き継がれていくようにしましょう。

リスクアセスメントと合わせて実施したい「KY活動」とは?

 

KY活動とは、危険(K)予知(Y)活動のことを指します。

 

現場での作業前に、作業員間で発生しうる危険ポイントについて共有し合い、行動目標を明確にします。

 

指差呼称を行い、安全を確認しながら作業を行うため、ヒューマンエラー防止に効果的と言えます。

 

リスクアセスメントと合わせて実施することにより、事故リスクをさらに低減させていきましょう。

労働安全衛生法を遵守してリスクを回避しましょう

 

産業廃棄物業界での労働災害は後をたちません。

 

化学物質のような見た目ではわかりづらいものは対策が立てづらく、労働災害につながりやすい傾向にあります。

 

リスクを見極め、対処法を明確にすることにより、安全作業につなげていきましょう。

 

「てきせつ」では、廃棄物処理の正しい運用だけでなく、リスクに対しての考え方や対策の立て方についてもわかりやすく発信しています。

 

リスクアセスメントに関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。

 

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