産業廃棄物処理業界における行政指導と行政処分の違いとは?
お役立ちコラム
2024/03/01
産業廃棄物処理業界には守らなければならないルールが多く存在し、産業廃棄物処理法では、排出事業者と処理業者の両方に細かく責任の範囲が記されています。
産業廃棄物処理法は、特に法律の改正が多く、業界に身を置く人間でさえ、内容を完璧に把握することは困難です。
法律で定められているということは「知らなかった」では済まされず、即罰則の対象となってしまうため、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、産業廃棄物処理業界における行政指導と行政処分の違いについてわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物処理業者は行政指導・行政処分に要注意!

自然環境、生活環境を守るため、行政は排出事業者や処理業者に対して働きかけを行っており、それらは大きく「行政指導」と「行政処分」に分けられます。
読んで字の如く、行政指導も行政処分も起こってはならないものなので内容と違いをしっかりと認識し、日々の業務を行っていきましょう。
思わぬところでペナルティを課せられる可能性があるため注意が必要です。
行政指導・行政処分はどんな時に受ける?
産業廃棄物処理業者として、近隣の生活環境や自然環境に悪影響を及ぼしていたり、及ぼす可能性があると判断された場合、行政指導や行政処分を受ける可能性があります。
つまり、法的根拠に基づき、行政指導や行政処分が行われます。
また、法的な根拠がない場合でも行政指導が出される場合があります。
法律の⚪️条に記載があるというものではありませんが、産業廃棄物処理法の目的となっている生活環境や自然環境保全を果たすために行政指導が出される場合があるのです。
例として、地元住民とのトラブルを避けるための「処理施設の新設に伴う同意取得」や「廃棄物の県外搬入の事前協議」などが挙げられます。
産業廃棄物処理業界における行政指導・行政処分の違い

行政指導と行政処分には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
定義1:行政指導
行政指導は、迅速かつ柔軟な対応が可能で効果的ではあるのですが、相手方の任意の協力を前提としているため、相手が従わない場合、目的としていた結果は得られません。
また、相手が従わなかったとしても行政処分の要件には該当しません。
ただし、一般的には行政指導を行ったのち、相手が従わない場合は、次のステップとして行政処分に移行することになります。
定義2:行政処分
行政処分は、行政指導とは異なり、指示内容に強制力があります。
行政処分についての考え方は行政手続法の逐条解説に次のように表現されています。
「当該行政指導によって実現を図ろうとする内容が、例えば改善命令等の処分によって担保されるものである場合には、自主的な改善が望まれない時には、当該処分によるべきものと考える」
つまり、行政指導を通して改善される見込みがなく、行政処分を実施することにより実現したいことが満たされるのであれば、積極的に実施するべきだとされているのです。
産業廃棄物業界の行政処分は4種類に分かれる

行政処分には次の4つの種類があります。
種類1:改善命令
改善命令とは、産業廃棄物処理法で定められているような「基準」に合わない場合、その基準に合わせるようにする命令です。
基準が適用されない場合は改善命令の対象外となります。
例えば、廃棄物の保管基準違反の場合、基準は処理業者に適用されるため、排出事業者責任があったとしても、排出事業者に改善命令を出すことはできません。
種類2:措置命令
措置命令は、生活環境の保全に支障をきたしている場合、もしくは支障をきたす恐れがある場合、支障をきたしている要因を除去するようにする命令です。
種類3:事業停止
行政指導や改善命令などに従わない場合、また、産業廃棄物処理法で定められている特定の事項に違反した場合など、責任の重さに合わせて事業の停止期間が定められています。
種類4:許可取消
産業廃棄物処理法で定められている特定の事項に違反した場合など、責任の重さが特に大きいものに関しては事業の許可が取り消されます。
▼参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(通知)
https://www.env.go.jp/hourei/add/k032.pdf
産業廃棄物処理業務に困ったら「てきせつ」にご相談ください

法律の抜け道を知り、わざと不適切な処理を行う方はごく一部かもしれませんが、法律で定められていると「知らなかった」というケースは多いのではないでしょうか。
現状の業務が行政処分の対象になっていないか、改めて見直してみてください。
「てきせつ」では、廃棄物処理だけでなく、処理実務を行う上で必要な知識をわかりやすく発信しています。
産業廃棄物の契約に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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