産業廃棄物における「無害化処理認定制度」とは?認定要件やメリット、注意点をわかりやすく解説
お役立ちコラム
2024/09/01
断熱性や絶縁性の高い新素材が定期的に開発されていますが、アスベストやPCBなど人体に悪影響を及ぼすものもあります。
通常の産業廃棄物も適正処理を進める必要がありますが、アスベストやPCBのような有害物質を含む産業廃棄物は、早急に地球上から撲滅しなければいけません。
このような有害物質を含む産業廃棄物の早期処理を推進するための制度が「無害化処理認定制度」です。
この制度を活用することで、通常の産業廃棄物の処理フローよりもスピーディな対応が可能となります。
そこで今回は無害化処理認定制度の概要やメリット、注意点についてわかりやすく解説します。
無害化処理認定制度とは?

無害化処理認定制度は、石綿(アスベスト)などの有害廃棄物を高度な技術で無害化する際に適用される制度です。
この制度では、溶融などの処理を行う者を個別に環境大臣が認定し、認定された施設でのみ処理が可能です。
平成18年の法改正で導入され、平成21年には微量PCB汚染廃家電機器が対象に追加されました。
従来の溶融処理では1500℃以上で無害化されることが条件とされていましたが、混合溶融など他の方法も促進するために制度が設けられました。
無害化処理認定制度の対象となる廃棄物の種類

無害化処理認定制度の対象となる廃棄物は以下の通りです。
廃石綿等
石綿含有一般廃棄物
→工作物(建築物を含む。以下同じ)の新築、改築または除去に伴って生じた一般廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの
石綿含有産業廃棄物
→工作物の新築、改築または除去に伴って生じた産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの
微量PCB汚染廃家電機器等
※情報引用元:産廃知識 無害化処理認定制度(公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター)
https://www.jwnet.or.jp/waste/knowledge/mugaika/index.html
無害化処理認定制度の認定要件

環境省の見解をもとにまとめると、無害化処理認定制度の認定要件は以下の3つとなります。
認定要件1:処理内容の適合性
無害化処理の方法や技術が「石綿含有廃棄物等」の迅速かつ安全な処理を確保するため、環境省令に適合していること。
認定要件2:処理実施者の基準
無害化処理を行う者が、環境省令で定める基準に適合していること。
認定要件3:施設の基準
無害化処理を行う施設が、環境省令で定める基準に適合していること。
※情報参照元:無害化処理認定制度Q&A(環境省)
https://www.env.go.jp/content/900397755.pdf
無害化処理認定制度を利用する2つのメリット

事業者が無害化処理認定制度の認定を受けることで得られるメリットは2つあります。
メリット1:一般廃棄物処理業の許可が不要
無害化処理認定制度の認定を受けることで、一般廃棄物に関する許可が不要となります。
許可が不要になる範囲は、一般廃棄物の収集運搬業および処分業、一般廃棄物処理施設の設置許可が含まれます。
メリット2:産業廃棄物処理業の許可が不要
一般廃棄物と同様に、無害化処理認定制度の認定を受けることで、産業廃棄物の収集運搬業および処分業、産業廃棄物処理施設の設置許可が不要となります。
これには特別管理産業廃棄物も含まれます。
無害化処理認定制度における3つの注意点

無害化処理認定制度の認定を受けることで、廃棄物処理法(廃掃法)の全てを無視していいというわけではありません。
ここでは3つの注意点で解説を進めます。
注意点1:処理基準の遵守が必要
無害化処理認定制度を受けることで、一般廃棄物と産業廃棄物の許可が不要となりますが、廃棄物処理法(廃掃法)で定められている処理基準は遵守する必要があります。
注意点2:マニフェストと帳簿が必要
無害化処理認定制度を受けた処理においても、マニフェストの交付や帳簿の記録、保存義務は発生します。
注意点3:報告書の提出が必要
無害化処理認定制度を利用して、一般廃棄物または産業廃棄物の無害化処理を実施した場合には、毎年6月末までに環境大臣宛に報告書を提出する必要があります。
報告書に記載する内容は以下の通りです。
・氏名または名称および住所
・認定年月日および認定番号
・当該認定に係る施設において無害化処理を行った廃棄物の種類および量
・その他環境大臣が定める事項
産業廃棄物の適正処理を進めるなら「てきせつ」へ

無害化処理認定制度の認定を受けることで、一般廃棄物および産業廃棄物の許可が不要となり、従来よりもスピーディーな処理推進が可能となります。
これによりアスベストやPCBという有害物質の早期処理が進みます。
アスベスト・PCBともに国が様々な制度を使い、早期処理完了を目指して進めています。
万が一、アスベストやPCBを含む廃棄物をまだ保管している方、使用している方は、早急に対応しなければいけません。
もしもこれらを含む産業廃棄物にお困りの方は、てきせつにお気軽にお問い合わせください。
この記事の関連記事
動植物性残さとは?産業廃棄物としての分類からリサイクル手法まで徹底解説
食品工場やレストラン、あるいは薬品製造の現場から日々排出され…
食品工場やレストラン、あるいは薬品製造の現場から日々排出され…
繊維くずは産業廃棄物?定義・処理方法・排出事業者の注意点を徹底解説
アパレル業界や製造工場、建設現場、清掃業務などの現場では、ウ…
アパレル業界や製造工場、建設現場、清掃業務などの現場では、ウ…
産業廃棄物としての廃アルカリとは?種類・処理方法から委託時の注意点まで適正処理の重要性を徹底解説
製造業やクリーニング業、食品加工業など、多岐にわたる現場で排…
製造業やクリーニング業、食品加工業など、多岐にわたる現場で排…
産業廃棄物「廃酸」とは?種類やリスク、リサイクル方法を徹底解説
産業活動に伴い発生する産業廃棄物の中でも、「廃酸」は特に厳格…
産業活動に伴い発生する産業廃棄物の中でも、「廃酸」は特に厳格…
産業廃棄物「燃え殻」とは?定義・処理方法・注意点をわかりやすく解説
事業活動に伴って発生する廃棄物の中でも、「燃え殻」は適正処理…
事業活動に伴って発生する廃棄物の中でも、「燃え殻」は適正処理…
解体工事から廃棄物処理までワンストップで対応可能な業者とは
建物の老朽化や再開発によって、解体工事のニーズは年々高まって…
建物の老朽化や再開発によって、解体工事のニーズは年々高まって…
排出事業者が産業廃棄物の処理委託先を効率的に探す方法3つ
排出事業者が産業廃棄物に関する不正行為に巻き込まれないために…
排出事業者が産業廃棄物に関する不正行為に巻き込まれないために…
同じ問い合わせが多い!産業廃棄物処理業者がやるべき「顧客教育」とは
産業廃棄物処理業者は約20万件以上ありますが、その9割が収集…
産業廃棄物処理業者は約20万件以上ありますが、その9割が収集…

