多量排出事業者とは?3つの義務と4つの判断基準をわかりやすく解説
お役立ちコラム
2024/09/01
企業が事業活動をする上で、どの業種からでも必ず「産業廃棄物」が排出されます。
しかし、業種や事業規模により、排出される産業廃棄物の量は大きく異なります。
例えば、Webサービスを提供する企業であれば、コピー用紙や雑ごみ程度しか排出されませんが、製造業からは多くの廃棄物が排出されます。
その中でも特に多くの産業廃棄物を排出する事業者は「多量排出事業者」となり、それ以外の事業者にはない義務が発生します。
そこで今回の記事では、多量排出事業者の概要や義務、判断基準についてわかりやすく解説します。
多量排出事業者とは

法で定める多量排出事業者とは、事業活動に伴って大量の産業廃棄物を発生させる事業場を持つ事業者のことです。
具体的には、前年度に産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く)を1,000トン以上、または特別管理産業廃棄物を50トン以上発生させた事業場を有する事業者を指します。
この定義には、産業廃棄物を中間処理する業者(発生から最終処分までの処理過程の途中で廃棄物を処理する者)は含まれません。
※情報参照元:https://www.env.go.jp/recycle/taryou_manyuaru.pdf
多量排出事業者が対応すべき3つの義務

多量排出事業者は他よりも多くの廃棄物を排出するため、その分環境に与える影響も多いです。
そのため新たに3つの義務が課せられ、排出量を正しく管理することが求められています。
義務1:電子マニフェスト
2020年からは特別管理産業廃棄物の多量排出事業者の中で、前々年度に特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)を50トン以上発生させた事業場を持つ事業者が、これらの廃棄物の運搬や処分を他人に委託する場合、電子マニフェストの使用が義務付けられました。
また、処理計画と実施状況報告には、新たに「電子情報処理組織の使用に関する事項」が追加されました。
義務2:産業廃棄物処理計画書
多量排出事業者は産業廃棄物処理計画を管轄の都道府県知事等に翌年度の6月30日までに提出する義務があります。
産業廃棄物処理計画および特別管理産業廃棄物処理計画には、以下の項目を網羅しなければいけません。
01:氏名または名称および住所、法人の場合は代表者の氏名
02:計画期間
03:現在その事業場で行っている事業内容
04:産業廃棄物の処理に関する管理体制
05:産業廃棄物の排出抑制に関する事項
06:産業廃棄物の分別に関する事項
07:自社で行う産業廃棄物の再生利用に関する事項
08:自社で行う産業廃棄物の中間処理に関する事項
09:自社で行う産業廃棄物の埋立処分または海洋投入処分に関する事項
10:産業廃棄物の処理委託に関する事項
ここでは参考に東京都と大阪府の詳細ページを記載しておきます。
▼東京都
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/industrial_waste/notification/summary_processing/
▼大阪府
https://www.pref.osaka.lg.jp/menkyo/o120060/0003618/0009849.html
その他の都道府県の場合も「都道府県名+産業廃棄物処理計画」で検索するとすぐに見つかります。
義務3:産業廃棄物処理計画実施状況報告書
多量排出事業者は事前に提出した産業廃棄物処理計画を元に、実際に行った廃棄物処理について都道府県知事等に報告する義務があります。
つまり「産業廃棄物処理計画」を作成するだけでなく、その通りに処理を実施するところまでが求められているということです。
多量排出事業者からの報告内容は都道府県によりインターネット上で公開されます。
ここでも東京都と大阪府の産業廃棄物処理計画実施状況報告書についての詳細ページを記載します。
▼東京都
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/r4hou_kantoube_huchu
▼大阪府
https://www.pref.osaka.lg.jp/menkyo/o120060/0003618/0028510.html
また、実際に公開された産業廃棄物処理計画実施状況報告書は以下のような形式です。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/industrial_waste/
notification/summary_processing/500100a20191003133351797/
多量排出事業者に課せられる新たな罰則

多量排出事業者の義務を実施しなかった場合には罰則も定められています。
処理計画を提出しない場合、または虚偽の記載を含む計画を提出した場合、さらにその実施状況を報告しない場合や虚偽の報告をした場合には、20万円以下の罰金が課されます。(法第33条第2号及び第3号)
産業廃棄物の適正処理は「てきせつ」へ

今回解説した「多量排出事業者」のように、産業廃棄物処理の業務には多くの例外や対応すべき義務が存在します。
しかし、普段の実務を行いながら、産業廃棄物の管理業務に抜け漏れなく対応することは簡単ではありません。
もし産業廃棄物のことでお困りの方は、産業廃棄物の適正処理を推進するポータルサイト「てきせつ」にご相談ください。
てきせつでは各ジャンルの専門家とのネットワークがあるため、皆様が抱えている課題を解決できる適切な業者をご紹介させていただきます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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