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産業廃棄物の再委託は禁止されているの?例外の基準や実施する流れを解説

お役立ちコラム

2024/09/01

近年、不法投棄や環境汚染といった問題が社会問題として注目されており、これらの問題の原因に、産業廃棄物の不適切な処理があります。

 

特に、産業廃棄物の再委託は、そのリスクを高める要因の一つとして指摘されています。

 

今回は、産業廃棄物の再委託について、原則禁止されている理由や例外、そして再委託を行う際の手続きについて詳しく解説していきます。

産業廃棄物の再委託とは?

 

産業廃棄物の再委託とは、排出事業者と廃棄物処理委託契約を結んだ処理業者が、引き取った廃棄物を他の処理業者に委託して処理することを指します。

産業廃棄物の再委託は原則で禁止

産業廃棄物の再委託は、廃棄物処理の責任を明確にするため、廃棄物処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)により原則として禁止されています。

 

例外として政令で定められた基準に従う場合を除いて、一般廃棄物や産業廃棄物の収集運搬業者および処分業者は、その業務を他人に委託することが禁止されているのです。

再委託が禁止されている理由

 

産業廃棄物の再委託が禁止されている理由はいくつかあります。

 

まず、事業者が自らの責任で適切に廃棄物を処理することが法律で求められており、再委託はその趣旨に反するからです。

 

事業者は、排出事業者責任のもと、廃棄物が適切に処理されているのかを確認しなければなりません。

 

つまり、処理フローが適切なのか、処分業の許可を取得しているのか、処理が滞っていないか、といったことも自ら現地視察を行い、確認しなければなりません。

 

再委託が行われれば、排出事業者責任が全うできない場合がでてきます。

 

次に、廃棄物の責任の所在の明確化です。

 

再委託が繰り返されると責任の所在が不明確になり適切な処理ができない恐れがあります。

 

さらに、再委託が行われると、廃棄物が追跡しづらくなり、不法投棄や不適切な処理が増加する可能性があります。

 

環境への負荷を減らし、サステナビリティを追求するという目的のために、再委託は原則禁止となっているのです。

一般廃棄物の再委託は例外なく禁止

廃棄物処理法の第7条第14項に「一般廃棄物収集運搬業者は、一般廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、一般廃棄物処分業者は、一般廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。」と明記されています。

 

つまり、一般廃棄物に関しては例外なく再委託は禁止されているのです。

産業廃棄物の再委託が認められる例外

産業廃棄物の再委託は、特定の基準を満たした場合のみ例外的に認められています。

 

たとえば、排出事業者が委託した収集運搬業者の車両や処分業者の施設が故障するなど、緊急事態でやむを得ず再委託が必要になることがあります。

 

しかし、基準を満たしていない場合には、どのような場合であっても再委託は認められません。

再委託の基準

 

①あらかじめ、排出事業者から委託を受けた者(受託者)は排出事業者に対して、再委託を受ける者(再受託者)の氏名・名称、及びその再委託が委託基準に適合していることを明らかにすること

 

②あらかじめ排出事業者の書面による承諾が必要であること

 

③その書面には次の事項を含まなければならないこと

 1) 委託した産業廃棄物の種類及び数量

 2) 受託者の氏名または名称、住所及び許可番号

 3) 承諾の年月日

 4) 再受託者の氏名または名称、住所及び許可番号

 

④受託者は再受託者に対し委託契約書記載事項を記載した文書を交付すること

 

⑤その他、委託基準に適合していること(受託者・再受託者間の書面契約が必要)

 

⑥排出事業者は、承諾書の写しを承諾日から5年間保存しなければならないこと

(以上、令第6条の2、令第6条の12、規則第8条の4の4、規則第10条の6の3)

例外的に再委託をする流れ

再委託基準に基づいて、産業廃棄物の再委託を行う手順は次の通りです。

 

まず、再委託が基準を満たしているか確認し、排出事業者が発行したマニフェスト(産業廃棄物管理票)を引き継ぎます。

 

このマニフェストには、廃棄物の種類・数量、運搬・処分を行う者の情報などが記載されており、5年間保存しなければなりません。

 

再委託が必要な場合、処分業者は再委託先の情報を依頼者に提供し、承諾を得ます。

 

排出事業者は、再委託先が適切な処理を行えるのかを確認し、その後、新たに契約を結び、再委託の手続きが完了します。

産業廃棄物の適正処理なら「てきせつ」へ

 

産業廃棄物の再委託は、原則禁止ですが、一定の条件を満たせば例外的に認められます。

 

再委託を行う際には、法規制を遵守し、環境への影響を最小限に抑えなければなりません。

 

廃棄物処理業者を選ぶ際に、その業者の実績や環境に対する取り組みなどを十分に調査し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

 

「てきせつ」では、私たち一人ひとりが、廃棄物問題に関心を持ち、適切な処理を行うサポートをしています。

 

お困りの方はお気軽にお問い合わせください。

 

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