紙マニフェストとは?発行の流れや書き方、5つの注意点をわかりやすく解説
お役立ちコラム
2023/04/28
産業廃棄物を処理するうえで切っても切り離せない存在、それが「マニフェスト」です。
「名前は聞いたことがあるけれど、実はよく知らない」という方も多いでしょう。
マニフェストは、重要な存在であるにも関わらず、内容が良く理解されていなかったり、苦手意識を持たれやすかったりするのは、運用するうえでのルールが多く、「ややこしい」という思いが先行してしまうからではないでしょうか?
そこで今回は、マニフェストについての流れや書き方、注意しなければならないポイントを5つに絞り、わかりやすく解説していきます。
マニフェストとは?
マニフェストとは、排出事業者(ごみを出す人や企業)が処理責任を全うするために交付する廃棄物の管理票のことです。
廃棄物は、委託された処理業者に引き渡されて処理が進められていきます。
マニフェストは複写式になっており、排出事業者、収集運搬業者、処分業者間で廃棄物の引き渡しが完了したり、処分が完了したタイミングで返却されていきます。
引き渡した後の廃棄物の状況は直接目で見ることはできないため、排出事業者はマニフェストを使い、処理状況を確認します。
マニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストの2種類があります。
現場でのマニフェスト控えの受け渡しや処理完了後の郵送に返却が必要な紙マニフェストに対して、電子マニフェストはWEB上で処理状況の確認が可能です。
両者とも基本的な流れは同じであるため、今回は紙マニフェストを中心に解説していきます。
電子マニフェストについては、以下の関連記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

紙マニフェストの流れ|返却のタイミングは4回!
マニフェスト返却のタイミングは4つあります。
①引き渡し
②運搬完了
③中間処分完了
④最終処分完了
そして、紙マニフェストは下記のような7種類の票で構成されており、それぞれ返却のタイミングや保管者が決まっています。
A票 :排出事業者から運搬業者へ廃棄物を受け渡した際に、運搬業者がサインし、排出事業者に返却
B1票 :運搬が完了した際に、処分業者がサインし、B2票とともに運搬業者に返却
B2票 :運搬業者から排出事業者に返却
C1票 :処分が完了した際に、処分業者が処分終了日を記載し、保管
C2票 :処分が完了した際に、処分業者が処分終了日を記載し、収集運搬業者に返却
D票 :処分が完了した際に、処分業者が処分終了日を記載し、排出事業者に返却
E票 :最終処分が完了した際に、処分業者が最終処分終了日を記載し、排出事業者に返却
最終的な各マニフェストの保管者は次のようになります。
排出事業者 :A,B2,D,E票
収集運搬業者 :B1,C2票
処分業者 :C1票
▼マニフェストの流れ

※画像参照:https://www.zensanpairen.or.jp/disposal/manifest/flow/
紙マニフェストの書き方|記載漏れがあると罰則対象に!?

排出事業者は、マニフェストに必要な情報をもれなく正確に記載しなければなりません。
下図の「マニフェスト用紙見本」にある①~㉗は下表「マニフェストの記載項目」の番号に対応しており、これらに注意して記載する必要があります。
①~⑲は交付時に記載しますが、⑳~㉗は交付時には記載しません。
また、誤った利用をされないために、記載する必要がない欄については斜線を引いておきましょう。
▼マニフェスト用紙見本

※画像参照:https://www.zensanpairen.or.jp/disposal/manifest/flow/
▼マニフェストの記載項目

紙マニフェスト運用の「5つの注意点」

マニフェストを運用するうえでいくつか気を付けないといけないポイントがあります。
マニフェストにも法律で定められたルールがあり、誤った運用をしてしまうと罰則の対象となるのでしっかりと把握しておきましょう。
ここでは絶対に押えておきたい「5つの注意点」に絞って解説していきます。
注意点1:廃棄物の引き渡しと同時に交付する必要がある
マニフェストは廃棄物の追跡管理や廃棄物処理に関する情報の公開を目的として、廃棄物の引き渡しと同時に交付するように義務付けられています。
注意点2:廃棄物の種類ごと、運搬先ごとに交付する必要がある
排出事業者責任として、廃棄物の発生から最終処分までの流れを正確に追跡する必要があります。
そのため、複数の処理業者に持っていく廃棄物を1枚のマニフェストにまとめることはできません。
マニフェストは「廃棄物の種類ごと」「運搬先ごと」に分けて交付する必要があります。
ただし、発生段階から分別ができない状態で混合しているような場合は、これを一つの種類としてマニフェストを交付できます。
注意点3:「5年間」保管する必要がある
廃棄物処理法では、5年間のマニフェスト保管期間が定められています。
万が一、廃棄物の引き渡しを行ってから問題が発生した場合でも、保管期間中に確認することが可能となります。
その他に、廃棄物の処理に問題が生じた場合や環境への影響を調査する必要が生じた場合などにも、スムーズに対応できます。
マニフェストは、自分が適切に廃棄物処理を行ったことを証明する書類です。
なくさないようにしっかりと保管しましょう。
注意点4:返送期限がある
排出事業者は、運搬終了、処分終了、最終処分終了の各段階での処理状況を確認するためにマニフェストを確認することになっています。
該当するマニフェストの各票を排出事業者に返送することにより確認が可能となります。
それぞれの返送期限については下記の通りです。
B2票 :収集運搬業者から排出事業者へ 【運搬終了日から10日以内】
C2票 :処分業者から収集運搬業者へ 【処分終了日から10日以内】
D票 :処分業者から排出事業者へ 【処分終了日から10日以内】
E票. :処分業者から排出事業者へ 【二次マニフェストE票を受け取った日から10日以内】
注意点5:管轄行政に報告書を提出する必要がある
マニフェストの交付者は、交付したマニフェストに関する報告書を作成し、都道府県知事等に提出しなければなりません。
この報告書のことを「マニフェスト交付等状況報告書」といいます。
報告者 :マニフェストを交付した排出事業者や中間処理業者
報告の単位 :事業場ごと
報告内容 :前年度において交付したマニフェストについて、廃棄物の種類、排出量、交付枚数等
提出先 :事業場を管轄する都道府県知事等
提出期限 :6月30日
ただし、電子マニフェストを利用した場合は、情報処理センターが都道府県知事等に報告を行います。
そのため、排出事業者が自ら都道府県知事等に電子マニフェストの報告書を出す必要はありません。

紙マニフェストの運用はてきせつに行いましょう
マニフェストを通じて廃棄物の流れを正確に把握できます。
マニフェスト制度は、廃棄物の処理に関わる排出事業者や処理業者が適切な行動を取るために設けられており、環境への影響を最小限に抑えるために重要な役割を果たします。
正確にマニフェストを管理し、自社の廃棄物の流れを把握することにより、適切な処理を実施していきましょう。
「てきせつ」では、廃棄物の「なぜ?」を分かりやすく発信しています。マニフェスト運用についての疑問は、ぜひ「てきせつ」にお問い合わせください。
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