初心者でもわかる!電子マニフェスト導入の流れを「5ステップ」で解説
お役立ちコラム
2023/05/12
産業廃棄物を適正に処理するうえで運用が義務付けられているマニフェスト(産業廃棄物管理票)ですが、紙マニフェストだけでなく電子マニフェストでの運用も認められています。
事業者によっては、この「電子マニフェスト」での運用にすることで多くのメリットを得られることになるでしょう。
今回は電子マニフェストを導入するまでの流れを、初心者の方にも分かりやすいように「5つのステップ」で解説していきます。
【※本記事は排出事業者目線で解説していきます。】
電子マニフェストとは?

電子マニフェストとは、インターネット上でマニフェスト情報を登録したり、報告することのできる仕組みのことです。
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターがシステム(JWNET)の運営を行っており、インターネットに接続したパソコンやスマホでの操作が可能です。
紙マニフェストと比べ、電子化により事務処理の効率化が図られるため、今後もますます普及していくことが見込まれています。

電子マニフェストの「2つメリット」

電子マニフェストには、2つのメリットがあります。
メリット1:効率的な情報共有
オンライン上でやり取りするため、時間や場所を問わず関係者間で効率よく情報の共有が可能となります。
現在の処理状況もリアルタイムで確認することができるので、紙マニフェストの返送を待つ必要も、処理業者へ都度問合せをする必要もありません。
メリット2:管理手間の削減
JWNETに情報が保存されるため、紙マニフェストと違い保管義務がありません。
また、JWNETが各行政へ交付状況の報告を行うため、排出事業者自ら報告する必要がなくなるのは大きなメリットといえます。
その他にも、郵送や保管にかかるコストや手間の削減、郵送中の紛失リスクもなくなります。
電子マニフェストのデメリット
インターネット上での操作となるため、操作環境による不具合は発生する可能性があります。
また、システムを使用するうえで費用が発生するため、現状の廃棄状況などを整理し、検討する必要があります。
電子マニフェスト導入の流れ、使い方を「5ステップ」で解説
様々なメリットがある電子マニフェストですが、実際に導入するまでのハードルが高く、今まで見送ってきた方も多いのではないでしょうか。
ここからは導入までに必要な検討事項や実際にかかる具体的なコスト、注意点について解説していきます。
ステップ1:必要な環境が揃っているかを確認
まずは下記の2点を事前に確認しましょう。
事前確認1:パソコンの準備
電子マニフェストを利用するには、インターネットが使用できるパソコンの準備が必要です。
事前確認2:処理業者の加入確認
電子マニフェストは排出事業者だけでなく、収集運搬業者と処分業者の3者の加入が必要です。
導入するうえで既存の契約処理業者がJWNETに加入しているか確認しましょう。
ステップ2:加入単位の検討
排出事業者の場合、加入する際の「単位」を任意で決められます。
実際に、「どこ」で「誰」が電子マニフェストの登録や管理を行うかにより、最適な単位は異なってくるので、しっかりと自社の管理状況を確認して選択しましょう。
主な例として下記の「3つのパターン」が挙げられます。
パターン1:排出事業場単位で加入・管理
最もシンプルな形で、廃棄物が発生する場所毎に加入と管理を行います。
メーカーの工場など、一定の廃棄物発生量があり、マニフェストの登録件数が多い場合に適していると言えます。
パターン2:本社等で加入・管理
実際に廃棄物が発生する場所ではなく、本社や管轄する支店、営業所で加入と管理を行います。
工事現場などインターネット環境が整っていない場合や、廃棄物管理レベルを一定に保つために本社等で管理を行う場合などに選択されています。
パターン3:本社等で加入、排出事業場で管理
加入は②と同じく、本社や管轄する支店、営業所にて行いますが、サブアカウントを発行し、管理は各排出事業場にて行います。
排出事業場当たりのマニフェスト登録件数が少ない場合などに選択されています。
ステップ3:料金区分の検討
電子マニフェストの利用料金は、マニフェストの年間登録件数によって変動します。
年間2,400件の登録があるかどうかが一つの目安となります。
▼電子マニフェスト料金区分

※画像参照:https://www.jwnet.or.jp/jwnet/youshiki/payment/fee/
▼A料金とB料金の比較イメージ(加入した翌年度以降の場合)

※画像参照:https://www.jwnet.or.jp/jwnet/youshiki/payment/fee/
ステップ4:運用方法の検討
電子マニフェストを運用していくうえで、現場担当者だけでなく本社や委託する処理業者との間でも取り決めをしておかなければならない「3つの検討事項」があります。
検討事項1:登録のタイミングを決める
廃棄物の引き渡しから3日以内(引き渡し当日、休日は含みません)の登録が義務付けられています。
どのタイミングで登録をするのかを処理業者とともに取り決めておくと、運搬や処理の終了報告を円滑に行えます。
検討事項2:受渡確認票をどのように活用するか
JWNETから、次のような項目の記載がある受渡確認票を出力可能です。
・日付
・廃棄物の種類、数量
・運搬受託者の氏名、名称
・引き取り場所情報
・搬入先情報 等
そのため、収集運搬業者が運搬時に携帯する書面として活用されることが多いです。
書式について、法で指定された様式はないため、独自で作成したものを使用することも可能です。
廃棄物の引き渡しや処分業者への搬入時にスムーズな情報の受け渡しができるように、予めどのようなやり方が良いのかを決めておきましょう。
検討事項3:誰を数量確定者にするか
JWNETでは、数量確定者を選択できます。
排出事業者にて廃棄物量を入力する必要がありますが、多くの場合、計量機やトラックスケールを所有している収集運搬業者や処分業者での計量結果が最終結果として運用されます。
どの段階で最終数量を確定させているか確認し、実態に応じて数量確定者を決定しておきましょう。
ステップ5:加入手続き
電子マニフェストを利用するには所定の加入手続きが必要となります。
WEB画面から加入手続きでき、申し込みをした当日中(21時以降は翌日扱い)に利用を開始できます。
詳しくは下記をご参照ください。
https://www.jwnet.or.jp/jwnet/youshiki/procedure/
電子マニフェスト、義務化されています!
特定の条件を満たす排出事業者は電子マニフェスト一部義務化の対象となりますのでご注意ください。
<条件>
条件1
・前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物除く)発生量が年間50 t以上の事業者
条件2
・当該事業場から発生する特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物除く)の処理を委託する場合
電子マニフェストを導入して業務効率化を図りましょう!
導入までのステップが具体的にイメージできたのではないでしょうか。
しかしながら、電子マニフェストは導入が目的ではありません。
実務者として実際に電子マニフェストを運用する担当者がしっかりと理解し、活用できるようになるまで、質問会による不安の払拭や、マニュアル作成による引継ぎ時のトラブル発生リスクへの対策など、運用開始後のフォローも忘れずに実施していきましょう。
「てきせつ」では、廃棄物の「なぜ?」を分かりやすく発信しています。
電子マニフェスト導入についての疑問は、ぜひ「てきせつ」にお問い合わせください。
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