産業廃棄物最終処分場とは?排出事業者が知っておきたい「3種類」をわかりやすく解説
お役立ちコラム
2023/05/30
産業廃棄物を収集運搬業者に受け渡した段階で、私たちの手から離れますが、その後にどんな流れで、どんな処理がされているかを意識したことはありますか?
都道府県によっては「中間処理場の現地確認」を義務付けていることがあり、視察に行ったことがある方も多いでしょう。
しかし、その先の「最終処分場」にまで行くことは滅多になく、どんな施設で、どんな処分が行われているかを知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、産業廃棄物の最終処分場の概要や、排出事業者が知っておきたい「3種類」の施設の違いについて、わかりやすく解説します。
産業廃棄物最終処分場とは?

産業廃棄物最終処分場とは、企業や工場から排出された「産業廃棄物」が中間処理場に収集運搬され、焼却や破砕、圧縮などの処理を経て、最終的に運び込まれる、いわゆる「埋立処分場」です。
脱炭素化や再資源化が進められている現代では、出来るだけ多くの産業廃棄物を埋立処分せずに済むように、リサイクル技術の開発や、分別の徹底が推進されています。
その上で、どうしてもリサイクルできない産業廃棄物が最終処分場に運び込まれて、埋め立てられています。

産業廃棄物の最終処分場は遮断型、安定型、管理型の「3種類」
産業廃棄物最終処分場は、埋め立てる産業廃棄物の種類によって、遮断型、安定型、管理型の3つの種類が使い分けられています。
ここからは、遮断型、安定型、管理型の3種類の最終処分場において「処分できる廃棄物の種類」「最終処分場の構造基準」「最終処分場の維持管理基準」について解説していきます。
種類1:遮断型最終処分場とは?
3種類の最終処分場の中でも、最も有害性の高い産業廃棄物でも処分できるのが「遮断型最終処分場」です。
1-1:遮断型最終処分場で処分できる「廃棄物の種類」
遮断型最終処分場では、重金属が規定値以上の有害物質が含まれる、以下のような産業廃棄物が処分されます。
・有害な燃え殻
・ばいじん
・汚泥
・鉱さい
1-2:遮断型最終処分場の「構造基準」
有害な産業廃棄物を埋め立てる際に、有害物質を含む産業廃棄物が風で飛んだり、液体と一緒に滲み出たりしないような基準が設けられています。
具体的には、屋根や囲いで雨水が処分場の内部に入り込まないようにしたり、水密性の鉄筋コンクリートで処分場の内側と外側を完全に遮断したりして、外からも処分場内に何も入らず、埋め立てた産業廃棄物が一切外に流出しない構造になっています。
種類2:安定型最終処分場とは?
遮断型の真逆で「有害物質を全く含まない産業廃棄物」を埋め立てるのが「安定型最終処分場」です。
2-1:安定型最終処分場で処分できる「廃棄物の種類」
安定型最終処分場では、有害物質が付着しておらず、雨風に当たってもほとんど変化しない、以下の5品目の「安定型産業廃棄物」が処分されます。
・がれき類
・ゴムくず
・金属くず
・廃プラスチック類
・ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず
2-2:安定型最終処分場の「構造基準」
安定型最終処分場では、有害物質を含む産業廃棄物の処分をしないため、屋根を設置したり、地盤を遮断材で覆ったりする必要はありません。
一部の雨水等を排出する設備や、水質検査を行うための浸透水採取設備のみを設置するという構造になっています。
種類3:管理型最終処分場とは?
有害物質を全く含まない「安定型産業廃棄物」ではないが、遮断型最終処分場で処分する必要はない程度の微量の有害物質しか含まない産業廃棄物を埋め立てるのが「管理型最終処分場」です。
3-1:管理型最終処分場で処分できる「廃棄物の種類」
管理型最終処分場では、規定値以上の有害物質を含む産業廃棄物と、全く有害物質を含まない安定型産業廃棄物以外のあらゆる産業廃棄物が埋め立てられています。具体的には以下のような品目です。
・燃えがら
・汚泥
・紙くず
・木くず
・繊維くず
・動物の死体
・動植物性残さ
・動物のふん尿
・鉱さい
・ばいじん、、、など
3-2:管理型最終処分場の「構造基準」
管理型最終処分場では、微量の有害物質を含む産業廃棄物を埋め立てる上に、動物性残さやふん尿など液体を含んだり、腐敗する産業廃棄物も埋め立てます。
そのため、有害物質を含んだ水分が地下に浸水しないように、処分場内部に二重構造で遮水層を設置したり、有害物質を含む水分を公共用の水域に流せるようにする浸出液処理設備を設置したりして、有害物質が自然界に流出しない構造になっています。
産業廃棄物の最終処分場の残余年数は「21.4年」

最終処分場では、産業廃棄物を埋め立てているため、いつかその場所がいっぱいになり、埋め立てられなくなります。
そのため、どの最終処分場にも「残余年数」つまり「今のペースで埋め立てると、あと何年使えるか?」という年数が算出されています。
令和3年に環境省が発表したデータによると、日本にある最終処分場の残余年数は「21. 4年」です。
これは、前年度の21. 6年とほぼ横ばいの数値です。
産業廃棄物の最終処分場への理解を深めてリサイクル率の向上に貢献しよう

産業廃棄物の最終処分場は、遮断型、安定型、管理型の3種類あり、それぞれ埋め立てる産業廃棄物の有害性により使い分けられています。
しかし、日本の最終処分場の残余年数は約20年です。
つまり、このペースで産業廃棄物を埋め立て続けると、約20年後には、日本中がごみで溢れかえっている最悪の未来が訪れる可能性もあるということです。
日本を明るい未来に導くためにも、全ての企業や事業者、個人が「ごみを減らす」意識を高く持ち続けましょう。
廃棄物の適切処理を促進する情報ポータルサイト「てきせつ」では、産業廃棄物の排出量を削減し、排出された産業廃棄物を適切に処理するサポートをしています。
産業廃棄物に関してサポートが必要な方は、まずはお気軽に「てきせつ」にご相談ください。
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