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容器包装リサイクル法で事業者が行うべき「再商品化義務」とは?罰則についてもわかりやすく解説

お役立ちコラム

2023/11/01

日本が高度成長期に「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」を繰り返したことで、国土の狭い日本の最終処分場はひっ迫され続けています。

 

この問題を解決するために「容器包装リサイクル法(容リ法)」が制定されました。

 

容器包装リサイクル法といえば、一般消費者が担うプラスチック容器の「分別排出」と「排出」の役割が注目されますが、

容器包装された商品を利用・製造・輸入する事業者にも大きな役割が与えられています。

 

そこで今回の記事では、事業者に割り当てられた役割に注目して、容器包装リサイクル法についてわかりやすく解説します。

容器包装リサイクル法(容リ法)とは?

 

容器包装リサイクル法とは、平成7年(1995年)に制定された法律で、一般消費者向けに販売されたプラスチックやガラス、紙などの容器包装の分別回収・再商品化を通じて、ごみの減量や資源の有効活用を図ることを目的としています。

容器包装リサイクル法とは?消費者・行政・事業者がやるべきことをわかりやすく解説

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容器包装リサイクル法では産業廃棄物も対象となる?

 

容器包装リサイクル法では、一般消費者向けに販売される商品の容器包装が対象となると記載しましたが、事業者向けに販売された業務用商品の容器包装は対象になるの?と疑問を抱く方も多いでしょう。

 

しかし、容器包装リサイクル法は、一般家庭から排出される廃棄物のうち「容器包装」の分別回収や再商品化・再資源化を目指すための法律であり、事業から排出される産業廃棄物は対象となりません。

容器包装リサイクル法の対象となる3つの「特定事業者」

 

容器包装リサイクル法では、全ての事業者が対象となるわけではありません。一部の「特定事業者」となる事業者のみが容器包装リサイクル法の対象となります。

 

容器包装リサイクル法の対象となる特定事業者とは、以下の3種類です。

特定事業者1:特定容器製造等事業者(容器・包材メーカー)

ガラス瓶やPETボトル、その他の紙やプラスチック製の容器を製造または輸入している事業者

特定事業者2:特定容器利用事業者(食品メーカー等)

特定の容器に詰めた商品を製造または輸入している事業者

特定事業者3:特定包装利用事業者(小売業者等)

特定包装を使った商品を仕入れて販売している事業者

小規模事業者は容器包装リサイクル法の適用除外となる

「常時従業員数」と「年間売上高」の両方の条件を満たす小規模事業者は、容器包装リサイクル法の適用除外事業者になります。

 

容リ法の適用除外条件

主な業種

常時従業員数

年間売上高

製造業など

20人以下

2億4,000万円以下

商業・サービス業など

5人以下

7,000万円以下

 

※参照:容器包装リサイクルの手引き(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/youki/attach/pdf/index-89.pdf

容器包装リサイクル法の対象となる容器包装

 

容器包装リサイクルの対象となる容器包装は以下の通りです。

 

・ガラス製の容器:無職ガラス瓶、茶色ガラス瓶、その他の色のガラス瓶

・紙製の容器:紙箱、紙袋、紙のトレイ、包装紙など

・PETボトル:飲料、酒類、しょうゆ、ドレッシング調味料などに使われるPETボトル

・プラスチック:PETボトル以外のプラスチックボトル、発泡スチロール容器、スーパーのレジ袋など

 

一見、容器包装に見えても対象外になるものもあるので、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

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容器包装リサイクル法で事業者が行うべき「再商品化義務」とは?

 

容器包装リサイクル法の対象となる事業者は、自社が利用・製造・輸入した商品に使われている容器包装をリサイクルし、再資源化するために「再商品化義務」を実施しなければなりません。

 

この再商品化義務は大きく「リサイクル(再商品化)の実施」と「帳簿の記録」の2種類の役割に分けられます。

事業者の役割1:リサイクル(再商品化)の実施

事業者が利用・製造・輸入した容器包装は再商品化・再資源化しなければなりません。

事業者の役割2:帳簿の記録

対象の事業者は利用・製造・輸入した容器包装の総量などを帳簿に記録し、5年間は保管しなければなりません。

再商品化義務を果たすための3つのルート

 

容器包装リサイクル法では、特定事業者の対象となる事業者が自ら再商品化に努めなければなりませんが、一般消費者が使用した全ての容器包装を自社で回収することは現実的ではありません。

 

そこで、再商品化義務を果たすために3つのルートが定められています。

ルート1:指定法人ルート

市町村が分別収集・保管した容器包装を主務大臣が指定した指定法人「(公財)日本容器包装リサイクル協会」に委託料を払い、再商品化の代行を委託する方法です。

 

※再商品化義務を負う事業者のほとんどがこの方法をとっています。

 

委託料の算出方法については、以下の参照サイトをご確認ください。

 

※参照:どのようにして支払う金額が決まるのか(公益財団法人日本容器包装リサイクル協会)

https://www.jcpra.or.jp/consumer/what/tabid/203/index.php

ルート2:独自ルート

市町村が分別収集・保管した容器包装を、事業者自ら、または再商品化事業者に委託して再商品化を行う方法です。

 

※主務大臣の認定が必要です。

ルート3:自主回収ルート

リターナブルビンなどを自らまたは委託して回収・再利用等する方法です。

 

※主務大臣の認定が必要です。

 

※参照:容器包装リサイクルの手引き(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/youki/attach/pdf/index-89.pdf

容器包装リサイクル法に違反した時の罰則

 

容器包装リサイクル法に違反した際には以下のような罰則が規定されています。

 

容器包装リサイクル法の罰則規定

再商品化義務の不履行

100万円以下の罰金

帳簿の不記載、虚偽記載など

20万円以下の罰金

主務大臣からの報告依頼等の不履行

20万円以下の罰金

主務大臣からの立入検査依頼の拒否

20万円以下の罰金

再商品化義務の対象について注意すべき4つのケース

 

容器包装リサイクル法の対象となる事業者は「容器・包材メーカー」「食品メーカー等」「小売業者等」の3種類あると解説しましたが、実務の中ではその3者が複雑に関係することがあります。

 

ここでは複雑な事例の中で、誰が再商品化義務を負うのかについて4つのケースで解説します。

 

どの事業者が容器包装についての決定権を持っているかについて注意深く考えると理解しやすいです。

1:食品メーカーが包材メーカーから容器を仕入れて、自社で中身を充填

この場合、食品メーカーが「特定容器利用事業者」、包材メーカーが「特定容器製造等事業者」となり、製品を仕入れて販売する小売業者は、義務の対象外となります。

2:小売業者がプライベートブランド商品の製造を食品メーカーに委託

この場合、小売業者が「特定容器利用事業者」、包材メーカーが「特定容器製造等事業者」となり、小売業者から指示されて製造を請け負った食品メーカーは、義務の対象外となります。

3:食品メーカーが商品の充填を協力業者に委託

この場合、食品メーカーが「特定容器利用事業者」、包材メーカーが「特定容器製造等事業者」となり、製品を仕入れて販売する小売業者は、義務の対象外となります。

4:容器メーカーが容器資材を作り、食品メーカーが自社で組み立て、中身を充填

この場合、食品メーカーが「特定容器利用事業者」および「特定容器製造等事業者」となり、容器メーカーと小売業者は義務の対象外となります。

 

※参照:容器包装リサイクルの手引き(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/youki/attach/pdf/index-89.pdf

容器包装リサイクル法を正しく理解して対応しましょう

 

容器包装リサイクル法は施行されて20年近く経ちますが、今でも関係する「一般消費者」「行政」「事業者」の3者が試行錯誤しながら、容器包装の再商品化に努めています。

 

少しずつルール変更も行われているため、最新情報にキャッチアップしつつ、法令を遵守しましょう。

 

廃棄物の適正処理を推進する情報ポータルサイト「てきせつ」では、事業者が正しく廃棄物業務に対応できるサポートを行っています。

 

産業廃棄物に関するお困りごとを抱えている方は、お気軽にご相談ください。

 

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