産業廃棄物処理業の営業業務に潜むコンプライアンス違反のリスク10選
お役立ちコラム
2023/12/01
コンプライアンスリスクについて考えなければならない部署は管理部門だけでしょうか。
答えはもちろんNOです。
コンプライアンスは特定の分野や担当者に限定されることなく、全ての部門で対応しなければなりません。
意図したかどうかに関わらず、企業の起こした不祥事により、法的責任や社会的信頼が消失してしまう恐れがあります。
今回は、産業廃棄物業界における営業業務に潜むコンプライアンス違反のリスクについて、事例とともにわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物処理業で注意すべきコンプライアンスとは?

産業廃棄物処理業で注意すべきコンプライアンスにはどのようなものがあるでしょうか。
廃棄物処理法(廃掃法)の遵守はもちろんのこと、リサイクル率を高めるための選択や廃棄物の発生抑制のための自社、そしてステークホルダーへの働きかけなどがあります。
廃棄物処理法(廃掃法)は、違反をすると許可の取り消しや懲役、罰金などのペナルティがあり、事業の継続に直接的に関わるポイントなのでしっかりと把握して備えておかなければなりません。
▼関連記事:産業廃棄物業界でコンプライアンスを向上させる方法5ステップ

営業業務に潜むコンプライアンス違反のリスク10選

営業業務はコンプライアンスと関係が薄いのでは?と考えられる方もいるでしょう。
しかし、間違った認識での営業提案は自社や取引先に対してのコンプライアンス違反のリスクに直結します。
コンプライアンスリスクに備えるために、まずはどこにリスクが潜んでいるかを見ていきましょう。
リスク1:自社の許可範囲を正しく理解する
営業として、産業廃棄物処理を提案するのであれば、自社が提案できる内容をきちんと理解しなければなりません。
正しい理解がないまま仕事を進めてしまうと廃棄物処理法(廃掃法)に抵触し、自社だけでなく、排出事業者にも法令違反をさせてしまうリスクがあります。
まずは、自社で何ができるのかをきちんと理解しましょう。
リスク2:排出事業者と契約内容のすり合わせを徹底する
排出事業者から正しい情報を引き出すことも重要です。
多くの場合、排出事業者は産業廃棄物の法律に詳しくありません。
営業担当者側からあらゆるシチュエーションを想定してヒアリングを行い、リスクに備えなければなりません。
どんな廃棄物をどのように処理するのかなど、排出事業者としっかりコミュニケーションを取り、認識のずれを解消しておきましょう。
リスク3:機密データの扱いに注意する
取引先からヒアリングした情報は機密データに該当するケースが多く、情報漏洩のリスクがあります。
自社では対応できず、処分業者に処理が可能か確認する際も、情報の取り扱いには注意が必要です。
秘密保持契約などを求める事業者もいるため、情報管理体制を全社的に整えておきましょう。
リスク4:排出事業者・処理業者が正しく処理を行えるスキームを整える
適切な業者選定や処理フロー構築を行わないと、廃棄物の処理ができず取引先の事業に影響を及ぼすリスクがあります。
発生する場所や廃棄物、物量、処理業者の得意分野などに応じて、本当に処理し切れるのかをシミュレーションしてスキームを整えましょう。
リスク5:契約前の事前調査を実施
自社ではなく、他の処理業者での処理を提案し、契約を行う場合、契約を結ぶ処理業者が本当に適切に処理しているか確認しなければなりません。
確認を怠ると、不適切な処理を行い、排出事業者が損害を被るリスクがあります。
適切な業者と判断できるような調査項目を作成し、事前調査を実施しましょう。
リスク6:排出事業者の工場見学の受け入れ
廃棄物処理法(廃掃法)では、排出事業者責任が定められており、実際に廃棄物がどのように処理されているか確認する義務があります。
そのため工場見学の申し出が発生しますが、きちんと受け入れを行い、確認してもらいましょう。
工場見学を受け入れないと不適切な処理をしているのかと疑われてしまう可能性があります。
リスク7:事前に排出事業者と正しく契約を結ぶ
発生する廃棄物の情報をまとめ、排出事業者と契約内容を確認し合い、工場の視察も完了したら、契約書を締結しましょう。
工事が急ぎで、契約前でも処理を行いたいという気持ちはわかりますが、契約がない状態、もしくは契約に不備がある状態での廃棄物処理は法令違反となります。
必ず「事前」に契約を締結させましょう。
リスク8:適切に廃棄物処理を実施できるように排出事業者と連携する
廃棄物の適正処理には排出事業者の協力が欠かせません。
徹底した分別は事故リスクの低減やリサイクル率の向上につながります。
リスク9:工場の作業員やドライバーの安全基準を確保する
引き渡しの際の条件を正しく取り決めることは、実際の引き取りや処理を行う作業員の安全を確保することにつながります。
無茶なスケジュールや数量の引き取り作業は行わず、余裕を持った提案を行いましょう。
リスク10:締結した契約内容を工場の作業員やドライバーに正しく伝える
取引先の担当者と営業担当者の間で情報が留まっていると、実際の作業の際に処理ができないものが混入していたり、許可上は処理可能でも運用上処理できないといったトラブルが起こる可能性があります。
契約内容や処理スケジュールについて、工場の作業員やドライバーにもきちんと情報伝達するように意識しましょう。
営業担当者がコンプライアンス遵守を徹底するための3つの工夫

どのようなことをすればコンプライアンスを遵守していけるのでしょうか。
営業担当者がコンプライアンス遵守を徹底するための3つの工夫を見ていきましょう。
工夫1:業務フローや法改正に関する社内勉強会を実施する
注意する点を意識してもらうためには定期的なインプットが必要不可欠です。
社内勉強会の開催は有効であり、「長時間、短頻度」ではなく「短時間、高頻度」が効果的です。
工夫2:図解や動画を活用したマニュアルを作る
営業担当者は工場での作業を見る機会が少ないため、図解や動画を活用したマニュアルによりイメージを持てるようにしましょう。
工夫3:不明点が出た際にすぐに質問できる体制を整える
コンプライアンスの意識を持ってくれたとしても、疑問点が残り続けるとせっかくの意識が離れていく可能性があります。
問い合わせ窓口を設置するといったすぐに疑問が解消できる体制を整えておきましょう。
営業担当者がコンプライアンスを遵守できるような体制を作りましょう

営業は取引先と接触する一番最初の部分です。
いかに正しい情報を伝えられるかが重要で、その後の業務に大きく影響するため、どの営業担当者であっても、コンプライアンスリスクについての理解が求められます。
会社全体で理解を深める体制を整えていきましょう。
「てきせつ」では、コンプライアンス遵守の体制作りのヒントについてわかりやすく発信しています。
産業廃棄物の処理に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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