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PCBという廃棄物を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

よくニュースでPCB廃棄物と一緒に出てくる「有害」「処理期限」という言葉。

 

名前はよく聞くけど具体的に自分たちにどう影響するのか、何がまずいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、PCB廃棄物の処理期限について詳しく解説していきます。

PCB廃棄物とは？

 

PCBとは絶縁性の高い油で、人体に悪影響を与える有害な物質です。

 

製造や使用は中止された現在でも、それまでに販売されていたものに関しては、使用を続けている機器も多く、まだまだ世の中にはPCB含有の機器が多く存在しています。

 

PCB廃棄物は産業廃棄物の中で唯一処理期限が定められており、PCBが含有している機器やPCB汚染物を廃棄する際は「産業廃棄物処理法」と「PCB特別措置法」に則り、適正に処理しなければなりません。

 

こちらの記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

また、PCB廃棄物には濃度により種類が分られています。

 

それぞれ取り扱いが異なるため、きちんと分類して捉えるようにしましょう。

種類1：高濃度PCB廃棄物

高濃度PCB廃棄物とは、製造時にPCBを意図的に使用した製品が該当し、PCB濃度が0.5%（5000ppm）を超えるものは高濃度PCB廃棄物に分類されます。

 

1972年に製造が禁止されているため、それ以降に製造された機器には高濃度PCB廃棄物に該当するものはありません。

 

製造年によっては、高圧トランス、高圧コンデンサ、蛍光灯安定器などが、高濃度PCB廃棄物に該当する場合があります。

種類2：低濃度PCB廃棄物

PCB濃度が0.5%（5000ppm）以下の、PCBに汚染された廃棄物が低濃度PCB廃棄物に該当します。

 

高濃度PCBを使用した製造ラインで生産を行ったり、メンテナンスの際の油入れ替え時に混入したりするような、意図せず汚染されたケースが低濃度PCB廃棄物に分類されます。

PCB廃棄物の処理期限

 

PCBの処理期限について、国から明確に定められている処理期限があります。

 

処理期限を超えてしまうと改善命令の対象となり、罰則を受ける可能性があります。

処理期限1：高濃度PCB廃棄物

高濃度PCB廃棄物については、2023年3月31日に処理期限が終了しています。

 

新たに高濃度PCB廃棄物を発見した場合は、管轄行政に報告し、指示を仰いでください。

処理期限2：低濃度PCB廃棄物

低濃度PCB廃棄物の処理期限は、【2027年3月31日まで】に処理が完了しなければなりません。

PCB廃棄物の処理期限を過ぎたらどうなる？

 

PCB廃棄物の処理期限を超えた場合、改善命令がくだされ、命令違反を起こした場合は3年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金またはその両方が課せられます。

 

改善命令をくだされたとしてもPCB廃棄物の処理責任は排出事業者に残り続けます。

 

今の所、処理期限が過ぎたPCB廃棄物については、排出事業者責任のもと適正に保管し続けないといけないとされています。

PCB廃棄物の処理状況の実体

 

すでに処理期限が切れた高濃度PCBの処理状況はどうなっているのでしょうか。

 

残念ながらまだ全てを処理したとは言い難い状況です。

 

高濃度PCBの処理期限設定は次のように定められています。

期限設定1：処分期間

一般的に排出事業者が処理完了していないといけない期限です。

（2024年2月29日時点では高濃度PCB廃棄物の処分期間は終了しています）

期限設定2：計画的処理完了期限

計画的処理完了期限（特例処分完了期限）とは、次の条件を満たしたものが対象となる処理期限で、処分期間の1年後に設定されています。

 

条件1：高濃度PCB廃棄物を自ら処分、又は処分を他人に委託することが確実

 

条件2：届出書に環境省令で定める書類を添付して、都道府県知事に届け出ている

期限設定3：事業終了準備期間

各処理業者が完全に事業を撤退するための準備期間です。

 

事実上、新たに発生した高濃度PCB廃棄物の処理や、改善命令対象となり、処理が完了していない分の処理はこの期間で実施されることになります。

 

ただし、この期間はあくまで事業終了のための準備期間であるため、対応できる処理量や費用もどのように変わっていくか読めないので注意が必要です。

 

▼処理の開始・完了予定時期

（参考画像：環境省　ポリ塩化ビフェニル(PCB)　早期処理情報サイト）

PCB廃棄物の処理期限の延長はありえる？

高濃度PCB廃棄物の処理設備はすでに終了させる動きをはじめているため、延長することは考えづらいです。

 

低濃度PCB廃棄物についても同様に考えられるため、延長されることを期待して先延ばしにするよりも今やるべきこととして「自社が保有している資産の中にPCB廃棄物に該当するものがないかどうか」を確認しましょう。

PCB廃棄物を期限内に処理するなら「てきせつ」へ

 

PCB廃棄物は他の廃棄物と異なり別の法律が絡むため、処理に至るまでの手続きが煩雑になりやすいです。

 

そのことが、処理計画を先延ばしにしている一つの原因と考えられます。

 

罰則を受けてまで先延ばしにする理由はないですね。

 

「てきせつ」では、一般的な廃棄物処理だけでなく、PCB廃棄物のような有害な廃棄物についてもわかりやすく解説しております。

 

産業廃棄物に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。

 

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