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鉱さいとは?産業廃棄物としての定義・種類・処理方法・リサイクルまで徹底解説

お役立ちコラム

2026/07/01

製鉄所や金属精錬工場などから発生する「鉱さい(こうさい)」は、産業廃棄物の中でも排出量が多い廃棄物の一つです。

 

しかし、「どのようなものが鉱さいに該当するのか」「他の産業廃棄物との違いは何か」「どのように処理・リサイクルされるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

鉱さいは適切な管理と処理が求められる一方で、多くが再資源化されており、循環型社会の実現に欠かせない資源でもあります。

 

本記事では、鉱さいの定義や具体例、処理方法、リサイクル方法、排出事業者が注意すべきポイントまで詳しく解説します。

鉱さいとは何か?その定義と基礎知識

鉱さいの読み方と意味

鉱さいは「こうさい」と読み、一般的には「スラグ(Slag)」とも呼ばれます。

鉱山や製鉄所、金属精錬工場などで、鉱石から目的の金属(鉄や銅など)を溶融・抽出する際に、副産物として発生する「かす(滓)」のことです。

鉱さいとは?

鉱さいとは、鉱物の採取・選鉱・製錬・精錬などの工程で発生する不要物を指します。

廃棄物処理法では、鉱さいは20種類ある産業廃棄物の一つとして分類されています。

主に以下のような工程で発生します。

  • ・鉄鋼製造
  • ・非鉄金属の精錬
  • ・金属加工
  • ・鉱山での採掘・選鉱
  • ・鋳造工程

製造工程で金属を取り出した後に残るスラグや不要物が鉱さいに該当します。

鉱さいは「製造ミスでできた不良品」ではなく、純度の高い金属を製造する過程で必ず発生する不可避の副産物です。

なぜ鉱さいが発生するのか?

天然の鉱石には、目的の金属成分以外にも、ケイ素やカルシウム、アルミニウムといった様々な成分(不純物)が含まれています。

金属を純度高く取り出すためには、これらの不純物を分離しなければなりません。

溶鉱炉などで超高温(1,500℃以上)に熱せられた鉱石に、石灰石などの副原料を加えると、不純物が溶けて金属の上に浮き上がってきます。

この浮き上がった融液を冷却・固化させたものが鉱さいです。

鉱さいの主な種類

鉱さいは、どの金属を精錬する過程で生まれたかによって、性質や用途が大きく異なります。

代表的なものは以下の3つです。

① 高炉スラグ(こうろスラグ)

[発生源]

製鉄所の高炉(銑鉄をつくる炉)

 

[特徴]

鉄鉱石から鉄を取り出す際に発生

成分がセメントに非常に近く、水と反応して固まる性質(潜在水硬性)を持っている

 

[主な用途]

高炉セメントの原料、路盤材

② 製鋼スラグ(せいこうスラグ)

[発生源]

転炉や電気炉(鋼をつくる炉)

 

[特徴]

高炉でできた銑鉄をさらに精錬して「鋼(はがね)」にする際や、鉄スクラップを溶かす際に発生

硬質で摩耗に強い特性があります。

 

[主な用途]

道路の路盤材、アスファルト用骨材、土木工事用の材料

③ 非鉄金属スラグ

[発生源]

銅、鉛、亜鉛などの非鉄金属精錬所

 

[特徴]

銅スラグやフェロニッケルスラグなどが代表的

比重が高く、砂の代わりとなる粒子状の特性を持つものが多い

 

[主な用途]

サンドブラストの研削材、セメント原料、コンクリート用骨材

鋳物砂との違い

鋳造工場で使用される鋳物砂は「鉱さい」と混同されることがありますが、

使用状況や性状によっては「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」など別の産業廃棄物区分になる場合があります。

鉱さいのリサイクル(有効利用)

鉱さいは産業廃棄物の中でもリサイクル率が高い廃棄物です。

現在、日本国内で発生する鉄鋼スラグ(高炉スラグと製鋼スラグの総称)の有効利用率は90%以上(高炉スラグにおいてはほぼ100%近く)に達しています。

 

主な再利用先は以下のとおりです。

 

セメント原料

高炉スラグはセメントの原料として大量に利用されています。

天然資源の使用量を減らし、CO₂排出削減にも貢献しています。

 

路盤材

道路工事の路盤材として利用されます。

天然砕石の代替資材として活用されています。

 

コンクリート用骨材

加工後はコンクリート材料として再利用されるケースがあります。

 

港湾・土木工事

製鋼スラグは護岸整備や港湾造成などにも活用されています。

 

地盤改良材

アルカリ性を活かして地盤改良材として利用される場合もあります。

鉱さいを扱う上での課題と注意点

有効利用率が非常に高い鉱さいですが、産業廃棄物である以上、リスクや課題も存在します。

適切な知識を持たずに扱うと、環境汚染や法的トラブルに発展する可能性があります。

① アルカリ成分の溶出問題

鉱さい(特に製鋼スラグ)には、酸化カルシウム(生石灰)が多く含まれていることがあります。

これが雨水などの水分と反応すると、強アルカリ性(pH11〜12以上)の水が溶け出す恐れがあります。

適切な処理や施工を行わないと、周辺の土壌や河川の水質に影響を与えてしまうため、使用場所や用途には厳格な基準(環境基準)が設けられています。

② 廃棄物該当性の判断

鉱さいは廃棄物として処理されるだけではありません。

金属成分を多く含むスラグなどは有価物として買い取られる場合があります。

例えば、

  • ・銅スラグ
  • ・ニッケルスラグ
  • ・フェロニッケルスラグ
  • ・金属含有スラグ

などは資源価値が認められるケースがあります。

 

一方で、有価物として取引するためには実際に市場価値があることや継続的な取引実績などが求められます。

単に「売れるかもしれない」という理由だけで産業廃棄物としての管理を怠ることは認められません。

 

また、リサイクルされるとはいえ、引き取り手に「お金を払って」処分を依頼する場合は、法律上「産業廃棄物」として扱われます。

「資源として再利用するからマニフェストは不要」と勝手に判断して未契約の業者に引き渡すと、廃棄物処理法違反(不法投棄や無許可委託)に問われるリスクがあります。

売却できる(有価物)か、処分費用がかかるかを排出前に回収業者としっかり擦り合わせて、廃棄物処理法違反に該当しないよう注意しましょう。

③ 不法投棄やリサイクルを偽った不適切処理

過去には、路盤材や埋立材と称して、基準を満たさない鉱さいを大量に土地に投棄し、環境問題に発展した事例もあります。

排出事業者は、委託先が適切なリサイクル技術と設備を持っているかを現地確認などで厳しくチェックする義務があります。

排出事業者責任を理解して適正処理を

鉱さいは委託した後も排出事業者責任が残ります。

万が一、不法投棄や不適正処理が発生した場合、排出事業者も責任を問われる可能性があります。

そのため、委託先を選ぶ際には次の点を確認しましょう。

  • ・許可証の内容処理実績
  • ・リサイクル率
  • ・処理施設の保有状況
  • ・電子マニフェストへの対応
  • ・優良産廃処理業者認定の有無

価格だけで判断せず、法令遵守と適正処理を重視することが重要です。

持続可能な社会(サステナブル)への貢献

鉱さいは、製鉄・精錬・鋳造などの工程で発生する産業廃棄物であり、スラグを中心に多くの種類があります。

一方で、セメント原料や道路資材、港湾工事など幅広い用途で再資源化されており、産業廃棄物の中でも特にリサイクル率の高い品目です。

ただし、種類によっては重金属などを含む場合もあるため、適切な分析・分別・処理が欠かせません。

また、排出事業者には委託後も責任が伴うため、許可を有する信頼できる処理業者へ委託し、マニフェストや契約書の管理を徹底することが重要です。

鉱さいを正しく理解し、法令に沿った適正処理と資源循環を実践することで、環境負荷の低減と持続可能な社会づくりに貢献できるでしょう。

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