産業廃棄物のリサイクルはなぜ必要?取り組むメリットや流れ、具体的な事例もわかりやすく解説
お役立ちコラム
2023/09/30
私たちが事業活動を行っていく上で必ず発生するのが廃棄物です。
廃棄物は適切に処理することにより、再び資源として利用できますが、そのまま埋立にまわってしまうと資源消費の一方通行となってしまいます。
改めて、なぜリサイクルが必要なのかを考えてみましょう。
今回はリサイクルをするメリットや具体的な事例も含めてわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物とは?
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産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生した廃棄物で特定の20種類のことを指します。
廃棄物処理法では廃棄物について、「汚染又は不要物であって、固形状又は液体状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)」と定義されています。
▼関連記事:【簡単にわかる】産業廃棄物とは?定義や種類、一般廃棄物との違いをわかりやすく解説

産業廃棄物をリサイクルすべき3つの理由
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産業廃棄物をリサイクルすべき大きな理由は次の3つです。
理由1:限りある天然資源の有効活用
日本は資源が乏しい国で、レアメタルや化石燃料のほとんどを輸入に頼っています。
資源が乏しいからこそ、市場にでている製品から資源を回収しなければなりません。
リサイクルを促進することにより、分別能力を高めて、資源を確保する必要があります。
理由2:環境負荷の低減
国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」により、環境負荷の少ない経済活動が世界のスタンダードとなりました。
これまでの一方通行の資源消費から循環の資源活用に変えることは、世界共通の認識となっています。
理由3:産業廃棄物の埋立処分場の逼迫
令和3年に環境省が発表した日本における最終処分場の残余年数は、21.4年とされています。
国土が狭い日本においてはリサイクルの強化は急務となっています。
日本の産業廃棄物のリサイクルに関する現状

「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度実績)について」(環境省発表)によれば、産業廃棄物の総排出量は約3億8,354万トンとなっています。
内訳としては、汚泥が約1億7,069万トン、動物のふん尿が約7,789万トン、がれき類が約5,977万トンです。
この汚泥、動物のふん尿、がれき類だけで、全体の約80%を占めています。
リサイクルの状況については、リサイクル量が約2億22万トン(52.2%)となっており、最終処分量は約970万トン(2.51%)となっています。
企業が産業廃棄物のリサイクルに努める3つのメリット

リサイクルを推進するにはコストがかかると感じている方もいるでしょう。
ここではリサイクルを推進する上で得られるメリットについてご紹介します。
メリット1:産業廃棄物に処理コストの削減
リサイクルを推進する上で、分別は必須です。
分別作業を行うコストに目が行きがちですが、分別することにより処理費用の削減や有価物の売却益を得られる可能性があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▼関連記事:産業廃棄物を分別する理由とは?ごみ分別を徹底する「5つのコツ」も解説

メリット2:対外的な企業イメージの向上
今やリサイクルをするということは当たり前に求められています。
同じ商品やサービスを購入する時、選ぶ基準として価格以上に、環境問題の解決に取り組んでいる企業から購入しようとする動きになっています。
メリット3:安全の確保
コストやイメージに目が行きがちですが、リサイクルの推進は現場の安全確保につながります。
一番わかりやすい例が「分別」です。
正しい分別や保管は火災リスクや廃棄物の漏洩リスクを低減します。
また、リサイクルへの意識向上は正しい知識獲得につながり、有害物質などへの対応能力向上にもつながると言えるでしょう。
企業が産業廃棄物のリサイクルを依頼するまでの流れ5ステップ
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産業廃棄物の処理を依頼するまでにはどのような手順を踏めば良いのかを確認していきましょう。
ステップ1:産業廃棄物処理業者との事前契約
廃棄物処理法に基づき、排出事業者と処理業者は委託契約を締結しなければなりません。
詳しくはこちらをご覧ください。
▼関連記事:産業廃棄物処理委託契約書とは?「5つの原則」と「3つの注意点」をわかりやすく解説

ステップ2:産業廃棄物の引取日の調整と配車
委託契約締結後に廃棄物の引き渡しの日を調整します。
処理業者に引き取りに来てもらう場合は、荷姿の情報や引き取り現場の情報等を提供し、日程の調整を行いましょう。
ステップ3:産業廃棄物の収集・運搬
調整した日時で回収が行われます。
排出事業者として注意すべき点についてはこちらの記事をご覧ください。
▼関連記事:産業廃棄物収集運搬とは?排出事業者が知っておくべき「3つの注意点」を解説

ステップ4:産業廃棄物の中間処理
廃棄物の引き取り後は処理工場にて中間処理が行われます。
廃棄物の種類や処理業者により処理方法は異なります。
廃棄物に応じて適切な処理業者を選定しましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▼関連記事:産業廃棄物の中間処理とは?排出事業者が知っておきたい「7種類」をわかりやすく解説

ステップ5:リサイクル
中間処理後はリサイクル(再資源化)か埋立にて処理が完了します。
産業廃棄物のリサイクル事例7選
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それぞれの種類の産業廃棄物がどのようにリサイクルされているかの事例をご紹介します。
事例1:廃プラスチック類
廃プラスチック類は、衣類や建築資材としてリサイクル可能です。
また、燃えやすい性質から燃焼用の固形燃料としても利用されます。
事例2:木くず
細かく破砕することにより、燃料チップとしてリサイクルされます。
また、建材や紙としての再製品化することも可能です。
事例3:廃油
廃油は汚れや劣化成分、混入物を除去することにより、潤滑油や重油としてリサイクルできます。
事例4:コンクリートガラ
コンクリートガラは破砕して金属などの不純物を取り除くことにより砕石としてリサイクルができます。
事例5:金属くず
金属くずは電気炉に投入することにより、再度、鉄としてリサイクルされます。
事例6:廃酸・廃アルカリ
基本は中和処理や焼却処理となりますが、物質により液体燃料の原料としてリサイクルされることもあります。
事例7:汚泥
発生する廃棄物として全体で見ても高い割合を占める汚泥は、セメント原料や補助燃料としてリサイクルできます。
産業廃棄物の種類ごとの特徴を理解して適切にリサイクルしましょう
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リサイクルのメリットや意義を理解した上で、廃棄物の種類ごとに適切なリサイクル方法を選択していきましょう。
「てきせつ」では、種類ごとのリサイクル事例や処理方法について分かりやすく発信しています。
産業廃棄物の分類や最適な処理方法に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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