排出事業者に産業廃棄物の分別を徹底してもらう7つの方法
お役立ちコラム
2023/12/01
近年、産業廃棄物の「分別」に対する意識が急速に上がってきています。
環境負荷の低減だけでなく、分別することにより得られるメリットについても広く認知されてきましたが、実際に排出現場で行われている分別の状況はどうでしょうか。
必要性は理解しているが、実際の行動に起こせていないというケースが多いのも事実です。
今回は、排出事業者に廃棄物の分別を徹底してもらうための方法をわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物の分別は排出事業者と処理業者の両方にメリットがある

改めて確認しておきたいことは、廃棄物の分別は「排出事業者と処理業者の両方」にメリットがあるということです。
分別はあらゆるリスクを減らし、リサイクル率の向上や作業員の安全の確保といったメリットにつながります。
分別を、その瞬間の「手間」と捉えるのではなく、総合的に得られるメリットに目を向け取り組んでいきましょう。
産業廃棄物を分別すべき3つの理由

産業廃棄物を適正に処理することは埋立処分する廃棄物量を減らすことにつながり、環境負荷を大きく低減します。
さらに、分別の意義は環境負荷低減だけではありません。
分別することにより、産業廃棄物の適正処理に携わる作業員や企業、設備を守ることができます。
具体的な事例を見ていきましょう。
▼関連記事:産業廃棄物を分別する理由とは?ごみ分別を徹底する「5つのコツ」も解説

理由1:火災リスクを防止する
分別を行うことにより、危険物の混入リスクを減らせます。
例えば、保管容器の底にリチウムイオンバッテリーが混入し、その他の廃棄物を投入することにより、バッテリーに圧力がかかり発火するという事例があります。
処理工場での火災事故はバッテリーの混入が原因であることがほとんどで、分別することにより火災リスクを大幅に下げることができます。
理由2:作業員を危険から守る
分別は危険物だけでなく有害物質の混入を防ぎ、作業員を健康被害リスクから守ってくれます。
有害物質の代表的な例として、「アスベスト」「PCB」「水銀」などがあります。
処理業者側でもどのようなものに有害物質が含まれているのかを理解し、リスクを回避しましょう。
こちらの記事でも、詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
▼関連記事:産廃処理業者が伝える!排出事業場での保管・分別の「3つの注意点」

理由3:法令違反リスクを回避する
分別作業は、許可や契約上、処理できない廃棄物の混入を防ぎ、法令違反リスクを回避できます。
あらゆる種類の廃棄物が混合状態にあると、処理する対象がわかりづらくなる傾向があります。
処理対象を明確にし、正しい処理を行うためにも分別作業は必須と言えるでしょう。
排出事業者に廃棄物の分別を徹底してもらう7つの方法

事故や法令違反リスクを下げる分別は、廃棄物が発生する場所、つまり排出事業者にて行うのが最も効果的です。
ここでは排出事業者に分別を徹底してもらうための方法をご紹介します。
方法1:分別の必要性を正しく伝える
そもそもなぜ分別が必要なのかを正しく伝えましょう。
分別で得られるメリットだけでなく、分別をしないことにより引き起こされる不都合なことも伝えるとイメージを持ってもらいやすく効果的です。
▼関連記事:廃棄物を分別しないことによる「5つの不都合な真実」

方法2:分別によるコストメリットを伝える
産業廃棄物は、品目ごとに分別されているほどリサイクルがしやすくなり、処理業者での分別が不要になる分、安い処理単価が適用される場合があります。
また、処理する廃棄物の中に有価物が混じっている可能性があります。
鉄くずやステンレス、電線といった金属くずは売却できる可能性が高いため、処理金額の削減と売却益の獲得で大きなコストメリットが得られます。
▼関連記事:産業廃棄物の処理費用の相場は?安く抑えるコツや近くの業者を選ぶポイントも解説

方法3:バッカンやフレコンバッグを使って分別しやすい環境を整える
実際に分別する担当者が理解できていないと分別は行えません。
現場にバッカンやフレコンバッグを設置して、どこに何を入れたら良いのかが一目でわかり、分別しやすい環境を整えましょう。
方法4:各企業ごとに特化した分別作業における注意点を伝える
排出される廃棄物は企業によりさまざまです。
廃棄物の種類や量、頻度、発生工程などから判断し、各企業に合わせた分別作業方法や注意点を伝えるようにしましょう。
方法5:正しく分別ができていなかった時の値上げ率を事前に決める
対策がうまくいかない場合、分別コストを処理費用に反映させるというのも一つの方法です。
いきなり値上げを行うのではなく、猶予期間を設けて、排出事業者に分別作業への取り組みを促しましょう。
方法6:写真付きでフィードバックを伝える
排出事業者と処理業者との間で求める分別レベルに差があると、うまくいきません。
どの状態が理想的であるかを写真付きでフィードバックすると共通の認識を持つことができ、改善効率が上がります。
方法7:一緒に改善策を考える
排出事業者に丸投げせず、一緒になって改善策を考えることは、信頼関係を構築できるだけでなく、処理業者が求める分別レベルに近づけていくことにもつながります。
産業廃棄物を正しく分別して両者にメリットがある関係を築きましょう

分別作業自体は、1工数増えるように見えますが、結果的に「リスク回避」「リサイクル率向上」「従業員の安全確保」「廃棄物量の削減とコストメリット」といった多くのメリットを得られます。
排出事業者とともに、改善を重ね、両者にメリットがある関係を築いていきましょう。
「てきせつ」では、廃棄物処理の正しい運用だけでなく、リスク回避やコストメリットの出し方についてもわかりやすく発信しています。
産業廃棄物の処理に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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