産業廃棄物処理業の収集運搬業務に潜むコンプライアンス違反のリスク10選
お役立ちコラム
2023/12/01
どの業界においても備えなければならないコンプライアンスリスク。
意図したかどうかに関わらず、企業の起こした不祥事により、法的責任や社会的信頼が消失してしまう恐れがあります。
備えなければならないということは、頭ではわかっているけど具体的に何をどうすれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、産業廃棄物業界における収集運搬業務に潜むコンプライアンス違反のリスクについて、事例とともにわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物処理業におけるコンプライアンスとは?

産業廃棄物処理業におけるコンプライアンスには、廃棄物処理法(廃掃法)の遵守やリサイクル率を高めるための選択、廃棄物の発生抑制のための働きかけなどがあります。
特に廃棄物処理法(廃掃法)の遵守は事業の継続に直結するポイントなのでしっかりと押さえておかなければなりません。
▼関連記事:産業廃棄物業界でコンプライアンスを向上させる方法5ステップ

収集運搬業務に潜むコンプライアンス違反のリスク10選

コンプライアンスリスクに備えるためには、どこにリスクが潜んでいるかを知ることが重要です。
具体的にどのポイントに注意しなければならないのか、収集運搬業務に潜むコンプライアンス違反のリスクを見ていきましょう。
リスク1:廃棄物を引き取る際の契約内容
産業廃棄物を処理するためには、排出事業者と処理業者の間で廃棄物の処理委託契約を締結しなければなりません。
契約がない状態での廃棄物の引き取りは法令違反となります。
取引前に必ず契約を締結しましょう。
▼関連記事:産業廃棄物処理委託契約書とは?「5つの原則」と「3つの注意点」をわかりやすく解説

リスク2:自社が取得している許可範囲
委託契約を締結していたとしても、契約内容と実際に引き取る廃棄物の内容が異なっていた場合は法令違反となります。
自社が許可を保有していない種類の廃棄物やエリアの場合、引き取りを行うことはできません。
事前に発生する廃棄物の内容を正しく把握し、引き取りのための条件を満たしているか確認するようにしましょう。
リスク3:積載制限の遵守
引取車両の最大積載量を超えた積み込みは過積載となり、法令違反となります。
道路を傷めたり、荷崩れや車両の横転などにつながり、死亡事故リスクも孕んでいます。
車両を分けて引き取りを行うなどの対策を講じましょう。
▼関連記事:産業廃棄物の積み込みで過積載になったらどうする?責任の所在はどこ?

リスク4:適切な分別の実施
引き渡しの際に、廃棄物が正しく分別されているかどうかによって、運搬中の事故リスクが変わります。
運搬中の振動や他の廃棄物との接触は、油の漏洩や可燃物の発火を引き起こすリスクがあります。
引き取り前に内容を確認し、必要に応じて排出事業者へ分別の依頼を行いましょう。
▼関連記事:産業廃棄物を分別する理由とは?ごみ分別を徹底する「5つのコツ」も解説

リスク5:安全運転の実施
収集運搬業務は、運搬する廃棄物量と距離に応じて利益が生まれるため、ついつい急ぎめの運転になりやすくなります。
ただし、形や荷姿が様々な廃棄物は慎重に運転しないと落下事故のリスクがあります。
余裕を持った運行計画を立てて、安全運転に取り組みましょう。
リスク6:積載物の飛散防止
製品の運搬とは異なり、性状や荷姿が様々な廃棄物は飛散しやすく、飛散した荷物により、交通を妨げたり、飛散物にあたって怪我をしたりするといったリスクがあります。
廃棄物ごとに正しい荷締めを行い、積載物の飛散を防止しましょう。
リスク7:労働基準法の遵守
ドライバーは残業時間が増えやすい傾向にあり、運行計画に無理と無駄があると残業時間は際限なく増え続けていくリスクがあります。
効率的なルートの選択や、待ち時間の削減などで労働時間を改善しましょう。
リスク8:マニフェストの正しい運用
廃棄物を引き取る際に必ずマニフェストが発行されます。
正しい情報を記入し、適切なタイミングで返却できなければ法令違反となります。
運用方法を定期的に確認し、常に正しい運用がされているかを確認するようにしましょう。
▼関連記事:紙マニフェストとは?発行の流れや書き方、5つの注意点をわかりやすく解説

リスク9:最新の法改正の理解
廃棄物処理法(廃掃法)は頻繁に法改正が行われていることで有名です。
実際に2000年からの12年間で行われた法改正は100件を超えています。
法改正に気づかず古いやり方をすることによって法令違反となるリスクがあります。
頻繁に変わる法律を常に把握するため情報源を確保し、定期的に社内共有を行い、会社全体で法律の理解に努めましょう。
リスク10:適切な保管の実施
積替え保管を実施する際、最も重大なリスクは火災と言えるでしょう。
火災の多くはバッテリーが原因であることがほとんどです。
分別と廃棄物ごとの適切な保管を実施し、危険物や可燃物の混入を防ぎ、火災リスクを無くしましょう。
ドライバーがコンプライアンス遵守を徹底するための3つの工夫

ドライバーにコンプライアンスを意識してもらうためには日頃からの働きかけが不可欠です。
ここではコンプライアンスを遵守してもらうための工夫を紹介します。
工夫1:定期的に社内勉強会を実施する
どのような点に注意しなければならないのかを意識してもらうためには定期的なインプットが必要です。
「長時間、短頻度」ではなく「短時間、高頻度」が効果的です。
工夫2:マニュアルを充実させる
社歴に関係なく高いクオリティの仕事を行うためには、しっかりとしたマニュアルの整備が効果的です。
引き継ぎ業務の手間削減だけでなく、業務フローの見える化ができているので業務改善も実施しやすくなります。
工夫3:問い合わせ窓口を設置する
ドライバーがコンプライアンスの意識を持ってくれたとしても、タイムリーに疑問点が解消されないと意識が離れていく可能性があります。
問い合わせ窓口を設置することにより、知識向上の機会を増やしていきましょう。
ドライバーがコンプライアンスを遵守できるような体制を作りましょう

コンプライアンスの遵守は個人や部署単位の行動ではなく、全社的な取り組みにしないと自走することはできません。
一人一人がコンプライアンスを遵守できるような体制を整えていきましょう。
「てきせつ」では、廃棄物処理だけでなく、コンプライアンス遵守の体制作りのヒントについてもわかりやすく発信しています。
産業廃棄物というキーワードで疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
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