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社員が事務所で食べた「弁当がら」は産業廃棄物?一般廃棄物?区分や捨てる時の注意点を解説

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2024/05/01

事業活動から排出された廃棄物は「産業廃棄物」に分類され、一般家庭から排出される廃棄物は「一般廃棄物」に分類されることが一般的です。

 

しかし、一般廃棄物の中でも、事業活動が行われている事務所から排出されるコピー用紙や段ボールなどは、産業廃棄物ではなく「事業系一般廃棄物」に分類されます。

 

このように、産業廃棄物と一般廃棄物の分類は、基本的には明確な判断基準があり、分類に困ることは多くありません。

 

しかし、産業廃棄物と一般廃棄物の分類が曖昧で、多くの方が判断に迷う廃棄物に「弁当がら」があります。

 

この弁当がらを産業廃棄物と一般廃棄物のどちらに分類するのかについては、多くの自治体で判断が分かれています。

 

そこで今回の記事では、弁当がらの分類における判断が曖昧になっている理由や正しい捨て方についてわかりやすく解説します。

「弁当がら」の区分は管轄行政により見解が異なる

 

弁当がらとは、食事を摂る際に出る空き容器や残飯、包装材料などを指します。

 

わかりやすい事例を挙げると、事務所や工場などで勤務するスタッフが昼食に食べたお弁当やカップラーメンの容器や残飯を指します。

 

この弁当がらが産業廃棄物と一般廃棄物のどちらに分類されるかについては、地方自治体ごとに判断が分かれています。

会社の昼休みは仕事?休憩?

 

弁当がらの分類における判断が分かれている理由として、従業員の昼休みが仕事なのか?休憩なのか?という判断が分かれているという背景があります。

 

本来、会社の昼休みは労働基準法によって定められている休憩時間の一部です。

 

しかし、その使い方や内容は会社や従業員本人によって異なります。

 

一部の会社では、昼休み中に業務の一環として会議や勉強会が行われることもあります。

 

しかし、大抵の場合、昼休みは従業員が休息をとるための時間として設けられています。

 

このように、一言で「会社の昼休み」と言っても仕事中なのか?休憩中なのか?の判断が難しく、自治体で判断が異なっているのです。

弁当がらの区分が産業廃棄物と一般廃棄物で異なる理由

 

弁当がらに限らず、廃棄物が産業廃棄物と一般廃棄物のどちらに分類されるかどうかは、その発生源や性質により異なります。

 

事業の一環として発生したものであれば産業廃棄物として扱われ、個人の食事として発生したものであれば一般廃棄物として扱われる傾向があります。

 

このため、同じ「弁当がら」でも、その発生源や性質によって区分が異なります。

 

その会社が拠点を置く自治体が従業員の昼休みを仕事と定義しているのであれば「産業廃棄物」に分類され、休憩時間と定義しているのであれば「一般廃棄物」に分類しているという判断です。

 

ただし、弁当がらが産業廃棄物に分類される自治体でも、弁当の容器は産業廃棄物、残飯は一般廃棄物と分類がさらに分かれます。

判断のポイントは「合わせ産廃」

 

弁当がらの分類を正しく判断するためには「合わせ産廃」についても考慮する必要があります。

 

合わせ産廃とは、市町村が例外的に企業が排出する産業廃棄物の一部を一般廃棄物と一緒に処理する仕組みのことを指します。

 

この場合、産業廃棄物でも手続きとしては一般廃棄物と同じですので、実質的に産業廃棄物を一般廃棄物として処理できます。

 

ある自治体では、従業員の飲食に伴って排出した産業廃棄物を一般廃棄物として処理できると明記しています。

 

しかし、弁当がらを産業廃棄物だと明記している自治体もあります。

 

このように弁当がらは様々な判断基準で考慮しても、産業廃棄物になるのか?一般廃棄物になるのか?の判断が複雑なので、最終的には管轄の行政に問い合わせて確認する方が安心です。

弁当がらの正しい捨て方・処分方法

 

ここからは弁当がらを産業廃棄物として処分する場合と、一般廃棄物として処分する場合の正しい捨て方について解説します。

処分方法1:産業廃棄物の場合

弁当がらを産業廃棄物として処分する場合には、以下の手順で処理を進める必要があります。

 

手順1:容器や残飯、梱包資材などを正しく分別する

手順2:事前に産業廃棄物処理業者と契約する

手順3:マニフェストを発行する

手順4:許可を得た業者を選定する

手順5:処理を委託する

 

弁当で使われている容器の多くはプラスチック素材ですが、処理を委託する企業によっては、廃プラスチックの許可を得ていても、残飯に分類される動植物性残さの許可を得ていない場合もあります。

処分方法2:一般廃棄物の場合

弁当がらを一般廃棄物として処分する場合は、自治体ごとに異なる分別の指示に従わなければいけません。

 

プラスチックや容器包装を分別する自治体が増えていますが、大きく「燃えるごみ」と「不燃物」の2種類でしか分別しない自治体もあります。

 

プラスチックや容器包装を分別する自治体の場合は、残飯と容器を正しく分別して指定のごみの日に出しましょう。

複雑な廃棄物業務を効率化するなら「てきせつ」へ

 

産業廃棄物処理業界でも「弁当がら」は判断が分かれる厄介な廃棄物の1つです。

 

弁当がら以外にも産業廃棄物と一般廃棄物の分類の判断が分かれる廃棄物は多く、産業廃棄物管理業務を行う担当者でも判断に迷うことも多々あります。

 

万が一、廃棄物の分類に困った方は、産業廃棄物の適正処理を推進するポータルサイト「てきせつ」にご相談ください。

 

てきせつは日本全国の産業廃棄物事情に精通しています。

 

産業廃棄物の処分方法や法令遵守に不安を抱えている方は、お気軽にお問い合わせをお願いします。

 

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